「胃カメラは苦しい」と聞いて、検査をためらっていませんか。
喉に管が入る感覚、嘔吐反射への恐怖。とくに初めての方や、以前つらい思いをした方にとっては、検査日が近づくだけで気が重くなるものです。
その不安を軽くする方法のひとつが、鎮静剤を使った胃カメラ検査です。
この記事では、鎮静剤の基本的な仕組みからメリット・デメリット、費用の目安、車移動の注意点までまとめています。
この記事で分かること
- 鎮静剤を使うと胃カメラの苦痛がどう変わるか
- 検査当日の車移動や仕事復帰に関する注意点
- 費用の目安と保険適用の考え方
出典
本記事は以下の記事を参考に、当院の視点で情報を整理したものです。
出典:金沢消化器内科・内視鏡クリニック 公式サイト(naishikyo.or.jp) 「鎮静剤で苦痛を減らす 胃カメラを快適に受けるために」
鎮静剤を使うと胃カメラはどう変わるのか?
鎮静剤を使うと、嘔吐反射や不安感が軽くなり、「気づいたら終わっていた」と感じる方もいます。
鎮静剤は静脈(腕や手の血管)から投与する薬で、ウトウトした状態で検査を受けられるようにするものです。全身麻酔のように意識を完全に落とすわけではなく、浅い眠りに近い状態を保ちながら検査が進みます。基本的には自分で呼吸しながら行いますが、鎮静が深くなった場合には呼吸の補助が必要になることもあるため、検査中はモニターで常に状態を確認しています。
鎮静剤を使うことで嘔吐反射が起きにくくなるだけでなく、体の緊張がやわらぐ分、医師が落ち着いて観察を進めやすくなるという面もあります。
ただし、効き方には個人差があります。ほとんど何も覚えていないという方もいれば、多少の違和感が残る方もいます。「確実に無痛」と断定できるものではありませんが、苦痛を軽減する方法として広く用いられています。
鎮静剤のメリットとデメリット
検査を受けるかどうかを考えるとき、メリットだけでなくデメリットも知っておくほうが判断しやすくなります。
メリット
- 嘔吐反射による「オエッ」となる苦痛が軽くなる
- 検査中の不安や緊張がやわらぎやすい
- 体の力が抜けた状態で検査が進むため、医師が丁寧に観察しやすくなる
デメリット
- 検査後に30分〜1時間ほどの休憩が必要になる
- 少なくとも当日、原則24時間は車・バイク・自転車の運転を控える必要がある(施設の指示に従ってください)
- 鎮静剤の種類や施設によって追加費用がかかる場合がある
鎮静剤には呼吸が浅くなる、血圧が変動するといった副作用の可能性もあります。ただし、消化器内視鏡専門医のもとでモニタリングを行いながら検査を進めますので、異常があればその場で対応します。気になる点は事前に医師へ伝えてください。
車で来院予定の方へ──当日の移動手段にご注意を
野々市周辺にお住まいの方は、普段の移動手段が車という方も多いと思います。
鎮静剤を使用した場合、検査後は判断力や注意力が一時的に低下します。**少なくとも当日、原則24時間は車・バイク・自転車の運転を控えてください。**ご家族の送迎やタクシーの利用をお勧めします。
「帰りは迎えが必要」「公共交通の単独利用も控えてください」と案内する施設もあります。来院方法に不安がある方は、予約の際にスタッフへお伝えください。
なお、どうしても車で来院したい場合は、鎮静剤を使わずに検査を行う方法(経鼻内視鏡や局所麻酔のみの経口内視鏡)もあります。ご予約時にご相談いただければ、ご自身の生活に合った検査方法を一緒に検討できます。
| 移動手段 | 鎮静剤あり | 鎮静剤なし |
|---|---|---|
| 車・バイク・自転車 | 少なくとも当日は不可(原則24時間) | 検査方法によっては可能 |
| 家族の送迎・タクシー | 推奨 | もちろん可 |
| 公共交通機関 | 施設によっては単独利用を控えるよう案内あり | 可能 |
費用の目安──保険適用と自費の違い
症状があり医師が検査の必要性を判断した場合、胃カメラ検査は保険診療で受けられるのが一般的です。
保険診療の場合、70歳未満の方は3割負担で受けられることが多く、70歳以上の方は所得区分に応じて1〜2割負担となります。鎮静剤の費用がどう扱われるかは施設によって異なるため、予約時に確認しておくと安心です。
一方、人間ドックや健診目的の場合は原則として自費診療になります。費用は高めになりますが、ピロリ菌検査などのオプションを自由に選べる利点があります。協会けんぽなどの健診補助が使える場合もあるので、ご自身の保険者に確認してみてください。
具体的な費用は検査内容や保険区分で変わります。当院にお問い合わせいただければ、おおよその目安をお伝えできます。
検査当日の流れ──前日の準備から検査後まで
初めての方は、当日どう過ごせばよいか気になるところです。おおまかな流れを頭に入れておくと、気持ちの準備がしやすくなります。
- 前日:夕食は消化のよいものを早めにとり、就寝前からは飲食を控えます
- 当日朝:指定の時間に来院し、受付・問診を行います。内服薬がある方は事前の指示に従ってください
- 検査:点滴から鎮静剤を投与し、ウトウトした状態で胃カメラを進めます。観察そのものは数分〜15分前後のことが多いですが、内容によって前後します
- 検査後:回復室で30分〜1時間ほど休憩し、意識がはっきりしてから医師の説明を受けます
- 帰宅:車の運転は原則24時間控え、ご家族の送迎やタクシーなどで帰宅してください
院内の滞在時間は、混雑状況や検査内容によって幅がありますが、おおよそ2〜4時間程度を見込んでおくと余裕があります。お子さんの送り迎えや家事の段取りがある方は、半日程度の余裕をみておくのがお勧めです。
関連情報(当院について)
- 胃カメラ検査のご案内 当院の胃カメラ検査の特徴や流れをご紹介しています。鎮静剤を使った検査にも対応しています。
- 女性医師による診察・内視鏡 女性医師による内視鏡検査にも対応しています。女性の方で検査に不安がある場合もお気軽にご相談ください。
金沢駅前でも受診いただけます
当院と同じ法人(医療法人社団心匡会)が運営する姉妹院が金沢駅前にもあります。通勤の途中やお仕事の合間に受診したい方、金沢駅周辺でお探しの方はこちらもご検討ください。
お住まいやご都合に合わせてお選びください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 鎮静剤を使うと検査中はまったく痛みを感じませんか?
A1. 鎮静剤によって嘔吐反射や不安感は軽くなる傾向がありますが、効き方には個人差があります。まったく何も感じなかったという方もいれば、多少の違和感があったという方もいます。「確実に無痛」とは言い切れませんが、苦痛を減らす方法として広く用いられています。不安が強い場合は、事前に医師へ伝えてください。
Q2. 家族の送迎が難しい場合はどうすればよいですか?
A2. タクシーの利用が選択肢になります。ただし、鎮静後は「帰りは迎えが必要」「公共交通の単独利用は控えてください」と案内する施設もあります。来院方法に制約がある方は、予約の際にスタッフへお伝えください。鎮静剤を使わない経鼻内視鏡であれば、検査後にご自身で車を運転して帰宅できる場合があります。
Q3. 子どもを連れて行っても大丈夫ですか?
A3. 検査中はお子さんの見守りが難しくなるため、可能であればご家族に預けてからの来院をお勧めします。当日の状況によっては対応が異なる場合がありますので、不安な点は事前にお電話でご確認ください。
参考文献
- Froehlich F, Schwizer W, Thorens J, et al.「Conscious sedation for gastroscopy: patient tolerance and cardiorespiratory parameters」Gastroenterology, 1995.
- Early DS, Lightdale JR, Vargo JJ, et al.「Guidelines for sedation and anesthesia in GI endoscopy」Gastrointestinal Endoscopy, 2018.
- Chen L, Liang X, Tan X, et al.「Safety and efficacy of combined use of propofol and etomidate for sedation during gastroscopy: systematic review and meta-analysis」Medicine, 2019.
当院で相談する目安
以下はあくまで一般的な目安です。気になる症状がある場合は、一度ご相談ください。
- 健診で「要精密検査」と指摘された方
- 胃の痛みや胸やけが続いている方
- 以前の胃カメラ検査で苦痛が強く、再検査をためらっている方
- ピロリ菌の検査・除菌について相談したい方
個別の状況によって適切な検査方法は異なります。まずはお気軽にお問い合わせください。
ご予約・お問い合わせ
金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院
- Web予約(24時間受付):https://kana-naisikyou.reserve.ne.jp
- お電話:076-259-0378
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や検査の要否については、医師にご相談ください。
▼ 文責 著者:中村文保 金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院/金沢駅前院(医療法人社団心匡会理事長) 資格:日本内科学会 総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本肝臓学会 肝臓専門医 公式サイト:胃と腸のことなら金沢消化器内科・内視鏡クリニック(https://naishikyo.or.jp/)






