健診で「胸部X線:異常影あり」と書かれていて、どうすればいいか分からない方へ
会社の健康診断や人間ドックの結果票を開いたとき、「異常影あり(要精査)」という文字が目に入ると、「がんだったらどうしよう」「すぐに大きな病院に行かないといけないのかな」──そんな不安を感じてる方は少なくありません。
ただ、ここで大切なのは「要精査=病気が確定したわけではない」ということです。慌てず、順を追って準備すれば大丈夫です。この記事では、結果票が届いてから精密検査を受けるまでの流れを、3つのステップで整理しています。
この記事で分かること
- 結果票の「異常影あり」「D判定」が何を意味しているのか
- 受診までに準備しておくべき持ち物と、会社健診の場合の動き方
- 精密検査(CT検査など)の一般的な流れと所要時間の目安
出典:金沢消化器内科・内視鏡クリニック 公式サイト(naishikyo.or.jp) 詳しくはこちら → 「要精査」次に何をする?検査・持参物・受診先を専門医が解説
ステップ1:結果票を手元に出して、指摘内容を確認する
最初にすべきことは、届いた結果票をもう一度しっかり読むことです。
健診の結果票には「胸部X線:異常影あり(要精査)」のように、どの検査で何が指摘されたかが書かれています。結果票の判定区分(A〜Eなど)は健診機関によって異なりますが、「要精査」「要精密検査」「D判定」などの記載は、いずれも「医療機関で精密検査が必要」という意味です。
胸部X線は多くの場合、体を正面から撮影する検査です(必要に応じて側面の撮影が追加されることもあります)。骨や血管、心臓などが重なって写るため、実際には問題のない構造物の重なりが「影」に見えることがあります。検診では見落としを防ぐために、少しでも気になる所見があれば「要精査」と判定される仕組みになっています。
つまり、要精査と言われた方の全員に病気があるわけではありません。「念のため、もう少し詳しく調べましょう」という段階です。
結果票は精密検査のときに大切な情報源になりますので、捨てずに保管してください。紛失した場合は、健診機関に問い合わせれば再発行に対応してもらえることが多いです。
ステップ2:持ち物をそろえて、受診の段取りを立てる
結果票の内容を確認したら、次は受診の準備です。精密検査を受ける際に持参すると役立つものを整理します。
必ず持っていくもの
- 健診・検診の結果票(最も重要です。数値や所見が書かれており、担当医師が検査計画を立てやすくなります)
- 保険証またはマイナンバーカード(要精査の精密検査は健康保険が適用されます)
- お薬手帳(服用中の薬がある方は必ず持参してください。特に血液をサラサラにする薬などを服用中の場合、検査の種類によっては事前の確認が必要になることがあります。自己判断で薬を中止せず、必ず受診時に医師へ申告してください)
あると役立つもの
- 過去数年分の健診結果票(経年変化を確認するために参考になります)
- 健診機関からの画像データ(CDやフィルム。希望すれば貸し出してくれる機関もあります)
- 問診で聞かれそうな情報のメモ(既往歴、家族の病歴、喫煙歴、アレルギーなど)
会社の健康診断で指摘された場合の動き方
職場の健診で要精査となった場合、会社から「精密検査を受けて、結果を報告してください」と案内されることがあります。紹介状が発行される場合もありますが、紹介状がなくても医療機関を直接受診して精密検査を受けることは可能です。
どの診療科を受診するか迷うこともあるかもしれません。胸部X線で異常影を指摘された場合は、一般的に内科や呼吸器内科が対応しています。CT検査を実施できる医療機関であれば、1回の受診で精査まで進められる場合もあります。
ステップ3:精密検査を受ける──CT検査の一般的な流れ
胸部X線で異常影を指摘された場合、精査として行われることが多いのが胸部CT検査です。
CT検査は、体の周囲をX線で回転しながら撮影し、数mm単位の断面画像を多数得る検査です(スライスの厚さは検査の目的によって異なります)。胸部X線が平面画像であるのに対して、CTでは臓器の重なりを排除した詳細な画像を数百枚規模で撮影できるため、影の正体をより正確に評価できます。
CT検査の一般的な流れ
- 問診・診察(喫煙歴、咳や痰の有無、過去の結核の既往などを確認します)
- 撮影準備(金属類を外し、検査着に着替えます)
- CT撮影(撮影自体は数秒〜数分程度。息止めの指示がある場合があります)
- 結果説明(検査当日に簡易的な結果を説明し、後日に詳細な読影結果をお伝えする場合もあります)
CTの結果に応じて、「異常なし」または「良性所見(古い炎症の痕など)」であればそこで終了、あるいは経過観察となります。さらなる精査が必要と判断された場合は、専門施設への紹介が行われることもあります。
緊急性の見分け方──慌てず、でも放置しない
要精査と言われたすべてが緊急ではありません。現在は特に自覚症状がなく、結果票に受診の期限が記載されている場合は、その期限を目安にできるだけ早めに受診すれば問題ないことが一般的です。
ただし、以下のような症状がある場合は、検診結果の精査とは別に早めの受診をお勧めします。
- 息苦しさ、呼吸が苦しい
- 強い胸の痛みや背中の痛み
- 血痰(痰に血が混じる)
- 急な体重減少、食欲低下が続く
自覚症状がないからといって放置してよいというわけではありません。多くの疾患、特にがんの初期段階では症状が出にくいため、症状がないうちに精査を受けることに意味があります。指示された期間内に受診することが大切です。
▼ 関連情報(当院について)
- CT検査のご案内 当院で実施しているCT検査の流れや機器について紹介しています。初めてCT検査を受ける方向けに、検査当日の準備や所要時間の目安も記載しています。
- 医師紹介 当院の医師の経歴や専門分野を紹介しています。どんな医師が担当するのか、事前に確認しておきたい方はご覧ください。
▼ 金沢駅前でも受診いただけます
同じ法人(医療法人社団心匡会)が運営する姉妹院として、金沢駅前院でもCT検査に対応しています。金沢駅から徒歩約5分の立地のため、通勤途中や出張の合間に受診をご希望の方はご検討ください。お住まいやご都合に合わせてお選びいただけます。
- 金沢消化器内科・内視鏡クリニック 金沢駅前院 公式サイト:https://naishikyo.or.jp/kanazawaekimae-naisikyou/
- WEB予約(金沢駅前院):https://kanazawaekimae.reserve.ne.jp
▼ よくある質問(FAQ)
Q1. 胸部X線で「異常影あり」と言われましたが、すぐに受診しないとまずいですか? A1. 自覚症状(息苦しさ、胸の痛み、血痰など)がなければ、一般的には数週間以内に受診すれば問題ないことが多いです。ただし、結果票に記載された期限を目安に、計画的に精密検査を受けることをお勧めします。ご自身の状況が心配な場合は、お電話でご相談いただくことも可能です。
Q2. 家族に付き添ってもらったほうがいいですか? A2. CT検査は一般的に体への負担が少なく、付き添いが必須というわけではありません。ただ、結果の説明を一緒に聞きたい方や、初めての受診で不安がある方は、ご家族と一緒にお越しいただくと安心です。当院は大型駐車場を完備していますので、ご家族での来院もしやすい環境です。
Q3. 精密検査(CT検査)の費用はどのくらいですか? A3. 健診で要精査と判定された場合の精密検査は健康保険が適用されます。CT検査の自己負担額は、保険の種類や撮影内容によって異なりますが、3割負担の方で数千円程度が目安です。詳しくはご来院時またはお電話でお問い合わせください。
▼ 参考文献
- 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」厚生労働省, 2024.
- 日本肺癌学会 編「肺癌診療ガイドライン──悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む」金原出版, 2024.
- 国立がん研究センター がん情報サービス「がん検診について」国立がん研究センター.
▼ 当院で相談する目安(一般論)
以下はあくまで一般的な目安です。ご自身の結果票の記載内容や体調と照らし合わせてご判断ください。
- 結果票に「要精査」「D判定」と記載されている場合は、指示された期間内の受診をお勧めします
- 「結果票の内容がよく分からない」という場合も、結果票をお持ちいただければ医師が説明いたします
- 咳や痰が長く続く、息切れがある、血痰が出たなどの症状がある場合は、早めにご相談ください
▼ ご予約・お問い合わせ
金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院
WEB予約:https://kana-naisikyou.reserve.ne.jp お電話:076-259-0378
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や検査の要否については、医師にご相談ください。
▼ 文責
著者:中村文保 金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院/金沢駅前院(医療法人社団心匡会理事長) 資格:日本内科学会 総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本肝臓学会 肝臓専門医 公式サイト:胃と腸のことなら金沢消化器内科・内視鏡クリニック(https://naishikyo.or.jp/)






