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便潜血陽性で要精密検査と言われたら|大腸カメラの費用・準備・当日の流れ

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便潜血陽性で「要精密検査」と言われたら|大腸カメラの費用・準備・流れを専門医が解説

便潜血陽性の精密検査として行う大腸カメラは、保険適用(3割負担)で約7,500円〜が目安です。検査前日に消化のよい食事をとり、当日は腸管洗浄剤で腸内を空にしてから、鎮静剤でうとうとしている間に15〜30分ほどで終了します。大腸がんが見つかる割合は陽性者の約2〜3%で、最も多い原因はポリープや痔です。ただし出血の原因を特定できるのは大腸カメラだけですので、再度の便潜血検査ではなく、内視鏡による精密検査を受けてください。

この記事のポイント

  • 便潜血陽性=大腸がんではない。がんが見つかる割合は約2〜3%
  • 再度の便潜血検査は意味がなく、大腸カメラで直接確認することが必要
  • 大腸カメラの費用目安:観察のみ約7,500円/ポリープ切除を含むと約35,000円(3割負担)
  • 院内下剤・複数の下剤タイプ・鎮静剤・女性医師による検査に対応

動画で見る|便潜血陽性の方の大腸カメラ検査

便潜血陽性の患者さんが当院で大腸カメラを受ける様子を、女性内視鏡医師の検査とあわせて紹介しています。検査の雰囲気をつかみたい方はご覧ください。

中村文保医師が内視鏡検査を行っている様子

便潜血陽性の意味と、再検査では不十分な理由

便潜血検査の仕組み

便潜血検査は、便のなかに目に見えない微量の血液(ヒトヘモグロビン)が混じっていないかを調べるスクリーニング検査です。免疫法(FIT)は食事の影響を受けにくく、2日間のうちどちらか1日でも血液が検出されれば「陽性」と判定されます。

陽性は「消化管のどこかで出血があった」というサインです。大腸がんやポリープだけでなく、痔や一時的な炎症でも陽性になります。精密検査を受けた陽性者のうち大腸がんが見つかる割合(陽性反応適中度)は約2〜3%と報告されています(国立がん研究センター がん検診プロセス指標)。陽性=がんではありません。

もう一度便潜血検査を受け直しても意味がない

がんやポリープは常に出血しているわけではありません。たまたま止血しているタイミングで採便すれば陰性になりますが、病変が消えたわけではないため、再度の便潜血検査に診断的な価値はありません。1回でも陽性が出た場合は、大腸カメラで腸の内側を直接確認することが必要です。

大腸カメラでわかること・できること

大腸全体を直接観察して出血の原因を特定する

大腸カメラは、先端にカメラが付いた細い内視鏡を肛門から挿入し、直腸から盲腸まで大腸全体の粘膜を観察する検査です。便潜血検査が「出血の有無」だけを調べるのに対し、大腸カメラは出血の原因そのものを目で確認できます。粘膜の色調や血管の走行、微細な凹凸まで観察できるため、数ミリ程度の小さなポリープも見逃しにくい検査です。

ポリープがあればその場で切除できる

検査中にポリープが見つかれば、サイズや形状に問題がない限りその場で切除できます。腫瘍性ポリープ(腺腫)は放置するとがん化する可能性があるため、発見時に切除することが大腸がん予防につながります。切除したポリープは病理検査で良性・悪性を確定し、結果は後日お伝えします。

検査の結果「痔が原因だった」とわかったとしても、大腸の奥に異常がないことを確認できたこと自体に意味があります。「たぶん痔だろう」と自己判断して放置し、ポリープやがんを見逃すリスクを避けるためにも、一度は大腸カメラを受けておくことが大切です。

女性医師が内視鏡検査を行っている様子

検査の準備——前日の食事・当日の下剤・鎮静剤

前日は消化のよい食事を選ぶ

大腸内をきれいな状態にするために、検査前日は食パン、おかゆ、素うどん、白身魚、豆腐など消化のよい食事を選んでください。きのこ・海藻・種子の多い果物・玄米など繊維質の多いものは避けます。夕食は早めに済ませ、以降は絶食です。水やお茶など透明な飲みものは検査2時間前まで摂取できます。

ふだん薬を服用している方は事前に担当医へお伝えください。血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)は、ポリープ切除を行う可能性があるため休薬が必要になる場合があります。

当日の下剤——院内で飲む選択肢もある

検査当日は、腸管洗浄剤(下剤)を約1〜2リットル、数時間かけて飲みます。飲み始めてしばらくすると排便が始まり、便が透明な水のような状態になれば準備完了です。下剤の服用は検査準備のなかで最もハードルが高いと感じる方が多い工程ですが、錠剤タイプや飲む量が少ないタイプなど複数の選択肢を用意しています。

初めての検査で不安な方や、自宅での服用に抵抗がある方は、院内で下剤を飲むことも可能です。看護師がそばにいるため、飲み方のペースや便の状態をその場で確認できます。

野々市中央院の院内下剤スペース

鎮静剤でうとうとしている間に検査が終わる

検査着に着替えたあと、鎮静剤を使用する場合は点滴の準備をします。鎮静剤が効き始めるとうとうとした状態になり、「もう終わったんですか」と驚かれる方がほとんどです。効き方には個人差がありますが、苦痛を大幅に軽減できます。

検査そのものは内視鏡を大腸の奥まで進めてから、引き抜きながら粘膜を観察する流れで、所要時間は15〜30分ほどです。ポリープ切除を行う場合はもう少しかかります。検査後はリカバリールームで30分〜1時間ほど休んでから結果説明を受けます。後日あらためて来院する必要はありません。

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便潜血陽性の精密検査は保険適用です。院内下剤や女性医師による検査もご案内できますので、まず事前診察からお進めください。

費用の目安と検査後の注意点

保険適用での費用目安

便潜血陽性の精密検査として大腸カメラを受ける場合、保険適用(3割負担)になります。費用の目安は次のとおりです。

検査内容 1割負担 3割負担
大腸カメラ(観察のみ) 約2,500円 約7,500円
大腸カメラ+病理検査 約3,000円 約15,000円
大腸ポリープ切除 約10,000円 約35,000円

※金額はあくまで目安です。処置内容や使用する薬剤により変動します。ポリープを切除した場合、加入している生命保険・医療保険から「内視鏡手術」として給付金が出るケースがあるため、保険会社に確認してみてください。

検査後に気をつけること

鎮静剤を使用した場合、当日は車・バイク・自転車の運転ができません。公共交通機関やご家族の送迎で来院してください。当院は駐車場を完備していますので、ご家族に送迎を頼む場合にも不便はありません。

食事は検査後1〜2時間を目安に、消化のよいものから再開できます。ポリープ切除を行った場合は1週間ほど飲酒・激しい運動・長時間の入浴を控えてください。切除後の病理検査の結果は通常1〜2週間でお伝えします。

精密検査を先延ばしにしないほうがよい理由

早期発見なら内視鏡だけで治療できることがある

大腸がんは早期にはほとんど自覚症状がありません。便潜血検査は症状が出る前にがんを見つけられる数少ない機会です。早期であれば内視鏡だけで切除でき、入院期間も短く済みます。進行した状態で見つかると外科手術や化学療法が必要になり、体への負担は大きくなります。

欧州4か国の大規模ランダム化試験(NordICC)では、大腸内視鏡検査の受診により10年間の大腸がん罹患リスクが18%低下したと報告されています(Bretthauer M et al. NEJM, 2022)。死亡リスクの有意差については長期検証が続いていますが、「見つけるなら早いほうが有利」という原則は変わりません。

ポリープの段階で切除すればがんの発生を防げる

大腸がんの多くは、腺腫と呼ばれるポリープが長い年月をかけてがん化することで発生します。ポリープのうちに切除すれば、がんそのものの発生を防ぐことができます。切除は検査中にその場で行えるため、日帰りで対応できるケースがほとんどです。

便潜血陽性をきっかけに検査を受けたところ、偶然ポリープが見つかって切除できた——このケースは実際に多く、将来のがんリスクを下げる結果につながっています。

よくある質問

Q. 便潜血陽性でしたが自覚症状がありません。それでも精密検査は必要ですか?
A. 大腸がんやポリープは早期にはほぼ無症状です。症状がないからこそ、便潜血で出血が見つかったこのタイミングで大腸カメラを受けることが早期発見につながります。
Q. 痔があるので出血は痔のせいだと思います。検査しなくても問題ありませんか?
A. 痔による出血の可能性はありますが、痔と大腸ポリープが同時に存在するケースは珍しくありません。便潜血検査だけでは出血源を区別できないため、大腸カメラで腸全体を確認することが大切です。
Q. 下剤を飲みきれるか心配です。
A. 錠剤タイプや飲む量が少ないタイプなど複数の下剤を用意しています。院内で下剤を飲むことも可能で、看護師がそばでサポートしますので初めての方もご安心ください。
Q. 鎮静剤を使う場合、当日は車で来院できますか?
A. 鎮静剤を使用した場合、当日は車・バイク・自転車の運転ができません。ご家族の送迎や公共交通機関をご利用ください。駐車場は完備していますので、お迎えに来ていただくことも可能です。
Q. 女性医師に大腸カメラを担当してもらえますか?
A. 当院には消化器内視鏡専門医の資格を持つ女性医師が在籍しています。ご予約時にお申し出ください。詳しくは女性医師による内視鏡検査のページをご確認ください。

まとめ

便潜血陽性は「大腸がんの宣告」ではなく、大腸の中を一度確認しておきましょうというサインです。再度の便潜血検査では出血の原因はわかりません。大腸カメラで直接確認し、ポリープがあればその場で切除することが最も確実な対応です。

費用は保険適用で観察のみなら約7,500円から。鎮静剤を使えばうとうとしている間に検査が終わり、院内下剤を選べば初めてでも安心して準備を進められます。健診結果を手元に、まず事前診察の予約を取ることが最初の一歩です。

参考文献

当院で相談する目安

以下のような方は、野々市中央院への受診をご検討ください。便潜血陽性と指摘されたが精密検査をまだ受けていない方、下剤や痛みへの不安から検査をためらっている方、女性医師に大腸カメラを担当してほしい方、ご家族に大腸がんやポリープの既往がある方——いずれの場合も、まず事前診察で状況を確認し、検査が必要かどうかを一緒に判断できます。野々市中央院は駐車場を完備しており、野々市市・白山市・能美市方面からもお車で通いやすい立地です。

文責

中村 文保

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院/金沢駅前院(医療法人社団心匡会 理事長)

日本内科学会 総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本肝臓学会 肝臓専門医

公式サイト:胃と腸のことなら金沢消化器内科・内視鏡クリニック

便潜血陽性の精密検査は、まず事前診察のご予約から

鎮静剤を使用する場合、当日はお車の運転ができません。院内下剤・女性医師対応もご案内できます。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や検査の要否については、医師にご相談ください。

当法人は金沢駅前に分院を開設いたしました。野々市院の予約が埋まっている場合は金沢院の予約もご確認してください。
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