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乳がんセルフチェックの正しいやり方とタイミング|女性医師が解説

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乳がんセルフチェックの正しいやり方|いつ・どの場面で確認すればいい?

「セルフチェックが大事って聞くけど、いつやればいいの?」——外来でも多い質問です。乳がんの早期発見には、自分で乳房の状態を知っておくことが欠かせません。この記事では、セルフチェックの適切なタイミングや確認のポイント、気になる変化を見つけたあとの行動まで、順を追ってお伝えします。

この記事のポイント

  • セルフチェックは「検査」ではなく「乳房を意識する生活習慣(ブレストアウェアネス)」として続けることが大切
  • 月経がある方は生理終了後数日〜1週間(目安は4〜7日後)が確認しやすい時期。閉経後の方は毎月同じ日に
  • 入浴時・着替え時など日常の場面を活用すると無理なく継続できる
  • しこり・皮膚のくぼみ・乳頭からの分泌物など「いつもと違う変化」に気づいたら、早めに乳腺外来を受診する
  • セルフチェックだけでは見つけられない乳がんもあるため、40歳以上の方は2年に1回の検診と組み合わせる
中村佳世医師による乳腺外来の診察風景
女性医師が親身に不安に寄り添います

ブレストアウェアネスとは——「しこり探し」ではなく「乳房を意識する習慣」

従来の自己触診との違い

「セルフチェック」と聞くと、しこりを見つけるために念入りに触診するイメージがあるかもしれません。しかし、日本乳癌学会が推奨している「ブレスト・アウェアネス」は、もう少し肩の力を抜いた取り組みです。ブレストアウェアネスは「乳房を意識する生活習慣」と定義されており、従来の自己触診のように決まった手技を覚えて異常を探すものではありません。

自己触診は手順が複雑で「正しくできているか不安」「面倒で続かない」という声が多く、途中でやめてしまう方も少なくありませんでした。ブレストアウェアネスでは、日常生活の中で自分の乳房の状態をまず知り、普段と違う変化に気づけるようになることを目標にしています。

ブレストアウェアネスの4つのポイント

日本乳癌学会のパンフレットでは、ブレストアウェアネスのポイントとして次の4つが挙げられています。1つめは「自分の乳房の状態を知る」こと。2つめは「乳房の変化に気をつける」こと。3つめは「変化に気づいたらすぐ医師に相談する」こと。そして4つめは「40歳になったら2年に1回乳がん検診を受ける」ことです。

ポイントは、最初の一歩が「異常を探す」ではなく「普段の状態を知る」であること。普段の自分を知っているからこそ、「あれ、ここ前と違う」という変化に気づけます。

セルフチェックはいつやる?——タイミング・頻度・おすすめの場面

月経周期に合わせたベストタイミング

乳房は女性ホルモンの影響で、月経周期によって張り具合が変化します。月経前はホルモンの影響で乳腺が張り、硬くなりやすいため、変化がわかりにくい時期です。セルフチェックに適しているのは、生理が終わってから数日〜1週間後(目安は4〜7日後)です。このタイミングは乳房がやわらかくなり、しこりや左右差などの変化を感じ取りやすくなります。

閉経後の方は月経周期の影響がないため、毎月1日や15日など覚えやすい日を決めて、月に1回確認する習慣をつけてください。

乳腺エコー検査機器
触診で分かりにくい変化もエコーで詳しく確認できます

日常のどの場面で確認する?

入浴中やシャワーの際に、石けんのついた手で乳房を撫で洗いする——それだけでも十分なチェックの機会になります。石けんで滑りがよくなるぶん、皮膚の下のしこりや硬さの変化に指先が気づきやすくなるためです。

着替えのときに鏡の前で乳房の形や皮膚の状態を見る、という方法もあります。特別な時間を確保しなくても、毎日の動作に「ちょっと意識する」を加えるだけで、ブレストアウェアネスは実践できます。

ちなみに、「毎日チェックしなきゃいけないの?」と心配される方もいますが、意識的に丁寧に確認する日は月1回が目安です。ブレストアウェアネスの目的は「いつもと違う変化に気づく」ことなので、入浴や着替えのときに「なんとなく見る・触れる」程度を日常の延長として続け、月1回のチェック日にやや丁寧に確認する、というバランスがおすすめです。

確認すべきポイントと「気になる変化」のサイン

目で見てわかる変化

鏡の前で両腕を上げたり下ろしたりしながら、乳房の形・大きさの左右差、皮膚のくぼみや引きつれ、乳頭の向きの変化などを確認します。乳頭や乳輪にただれ・湿疹のような変化がないかもあわせて見てください。特に片側だけに出ている場合や、長く続く場合は早めの受診をおすすめします。

具体的な手順は当院の乳がんセルフチェックのページで図解付きでご案内しています。

触れてわかる変化

3〜4本の指先をそろえ、乳房全体を小さな円を描くようにやさしく触れていきます。乳房の外側上部(わきに近い部分)は乳がんの発生頻度が高い場所なので、意識して確認してください。わきの下のリンパ節付近もあわせて触れておくと安心です。

乳頭を軽くつまんだ際に、血液が混じった分泌液や茶褐色の分泌液が出る場合は、しこりがなくても乳腺外来への相談をおすすめします。透明や黄色の分泌液であっても、片側だけから自然に出る場合は一度受診してください。

セルフチェックで「いつもと違う」と感じたら、お早めにご相談ください。

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注意が必要な変化の一覧

確認方法注意すべき変化補足
目で見る乳房の形・大きさの左右差が新たに出たもともとの左右差は問題ありません
目で見る皮膚のくぼみ・引きつれ・赤み腕を上げた姿勢で目立つ場合があります
目で見る乳頭の陥没・向きの変化以前からの陥没乳頭とは区別が必要です
目で見る乳頭・乳輪のただれ、湿疹片側だけに出ている場合や長く続く場合は特に注意
触れる硬いしこり(動かない・境界がはっきりしない)良性のしこりも多いため自己判断は避けてください
触れるわきの下のしこり・腫れリンパ節の腫れの場合があります
つまむ乳頭からの血性・茶褐色の分泌液透明〜黄色でも片側から自然に出る場合は相談を

上記の変化があった場合でも、すべてが乳がんというわけではありません。乳腺症や線維腺腫などの良性疾患であるケースも多くあります。ただ、自己判断で「大丈夫だろう」と様子をみることにはリスクが伴います。気になる変化に気づいたら、次の検診を待たず、早めに乳腺外来を受診してください。

変化に気づいたあとの行動——受診までの流れ

「要精密検査」の通知がなくても受診していい

乳がん検診の結果通知で「要精密検査」と言われてから受診する方は多いのですが、セルフチェックで気になる変化を見つけた場合も、検診のタイミングを待たずに乳腺外来を受診して構いません。「検診の結果は異常なしだったけれど、その後に気になる変化が出てきた」という場合も同様です。

受診先の選び方と受診時に伝えるとよいこと

受診する際は、マンモグラフィと乳腺エコーの両方に対応している医療機関であれば、1回の受診で必要な検査を受けやすくなります。ただし、実際の検査内容は症状や年齢によって異なりますので、まずは受診先に相談してください。受診時には「いつ頃から気になり始めたか」「左右どちら側か」「痛みの有無」などを伝えていただくと、診察がスムーズに進みます。

乳房の急な発赤や腫脹、皮膚の広範囲なくぼみ、血性の乳頭分泌がある場合は、できるだけ早い受診をおすすめします。

野々市中央院のWEB予約はこちら

当院は女性医師が検査を担当します。不安な症状がある方は、無理をせずまずは診察にお越しください。

セルフチェックだけでは見つけられない乳がんもある

セルフチェックは早期発見のきっかけとして大切な習慣ですが、触れてもわからない小さな病変や、非浸潤性乳管がん(DCIS)のようにしこりを作らないタイプの乳がんは、マンモグラフィの石灰化所見などでなければ見つけにくいことがあります。厚生労働省は40歳以上の女性に対し、2年に1回のマンモグラフィ検診を推奨しています。セルフチェックの習慣と定期的な検診を組み合わせることが、乳がんの早期発見につながります。

乳がんは早期に見つかれば5年相対生存率が92.3%と報告されています(国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計:乳房」、2009〜2011年診断例の集計)。統計上の数値であり個人差はありますが、「気づいたときに動く」ことの意味は大きいと言えます。

当院の乳腺外来——女性医師によるセルフチェック相談にも対応

マンモグラフィ検査機器
精度の高い読影A判定のマンモグラフィを導入しています

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院では、日本乳癌学会 乳腺認定医・日本外科学会 外科専門医の資格を持つ女性医師(中村佳世)が乳腺外来を担当しています。マンモグラフィ(読影評価A判定)と乳腺エコーの両方を院内で実施できる体制です。

「セルフチェックで気になるところがある」「やり方が合っているか不安」といったご相談にも対応しています。月1回の土曜乳腺外来(完全予約制)も設けていますので、平日の受診が難しい方もご利用ください。詳しい外来体制は乳腺外科専門外来のページをご覧ください。

「セルフチェックの手順を一度しっかり確認しておきたい」という方は、乳がんセルフチェックのやり方(図解付き)のページもあわせてご参照ください。

参考文献

※本記事テーマに関連する主な参考資料

よくある質問

Q. セルフチェックは何歳から始めるべきですか?
A. 明確な年齢の下限はありません。20代から自分の乳房の状態を知っておくことで、将来の変化に気づきやすくなります。日本乳癌学会も、年齢を問わずブレストアウェアネスの実践をすすめています。
Q. 生理前に乳房が張って痛いのですが、異常ですか?
A. 月経前のホルモン変化による乳房の張りや痛みは多くの方に見られる症状です。生理が始まると軽くなる場合は、乳腺症など良性の変化であることがほとんどです。ただし、生理後も続くしこりや痛み、片側だけに集中する症状がある場合は一度乳腺外来でご相談ください。
Q. セルフチェックでしこりを見つけたら、必ず乳がんですか?
A. 乳房に触れるしこりの多くは良性(線維腺腫や乳腺のう胞など)です。ただし、触診だけで良性・悪性を判断するのは困難なため、しこりに気づいたら自己判断せず、マンモグラフィや乳腺エコーによる精密検査を受けてください。
Q. 授乳中でもセルフチェックはできますか?
A. 授乳中も乳房の変化に気をつけることは大切です。ただし、授乳中は乳腺が発達して張りやしこりの区別がつきにくくなる場合があります。授乳に関係なく気になるしこりや変化がある場合は、乳腺外来に相談してください。授乳中でも乳腺エコーは受けられます。
Q. マンモグラフィとセルフチェックの両方が必要ですか?
A. はい、どちらか一方では十分ではありません。セルフチェックでは触れないほど小さな病変や、しこりを作らないタイプの乳がんはマンモグラフィでなければ発見しにくいことがあります。一方、検診と検診の間に生じる変化に気づくにはセルフチェックが有効です。両方を組み合わせてください。
Q. 豊胸手術を受けていてもセルフチェックはできますか?
A. インプラントが入っている場合でも、乳房の皮膚や乳頭の変化を観察する習慣は続けてください。ただし、触診でしこりを判別しにくい場合があるため、乳がん検診については担当医に相談のうえ、適切な検査方法を選んでください。
Q. セルフチェックをやりすぎて不安になってしまいます。どの程度が適切ですか?
A. 意識的に丁寧に確認するのは月1回を目安にしてください。毎日細かく触り続けると、正常な乳腺の凹凸を異常と感じてしまい、かえって不安が増すことがあります。入浴時に「いつもと変わりないかな」と軽く意識する程度を日常の習慣とし、月1回のチェック日にやや丁寧に確認するというバランスがおすすめです。

この記事の監修医

中村佳世

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院(医療法人社団心匡会)

日本外科学会 外科専門医/日本乳癌学会 乳腺認定医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/マンモグラフィ読影評価試験A判定

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や検査の要否については、医師にご相談ください。

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