胃カメラで分かる病気一覧と見逃しを防ぐ5つの準備ポイント
「健診で要精検と言われたけれど、胃カメラでどんな病気が見つかるの?」──ご家族から検査を勧められて、このページにたどり着いた方もいるかもしれません。胃カメラは胃だけでなく食道や十二指腸の粘膜を直接観察できる検査で、見つかる病気の範囲は想像以上に広いです。この記事では、検出される主な疾患と、発見率を高めるために患者さん自身ができる準備を整理しました。
『突如出現した腫瘍!?』女性内視鏡医師が胃カメラで発見したポリープは一体…!?
この記事のポイント
- 胃カメラで発見できる病気は胃がん・食道がん・逆流性食道炎・ピロリ菌感染など10種類以上
- 早期の胃がんは自覚症状がほぼなく、胃カメラによる直接観察でしか見つけにくい
- 検査前日の食事・内服薬の確認・ピロリ菌歴の共有など、患者側の準備が発見率に直結する
- 国の指針では胃がん検診は50歳以上・2年に1回が基本。リスクが高い方は医師と相談のうえ早めの受診を
- 野々市中央院では鎮静剤対応・女性医師対応・土曜検査にも対応している
胃カメラで分かる病気とは──食道から十二指腸まで観察できる理由
上部消化管をまるごと診る検査
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)では、口または鼻から細いカメラを挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜をリアルタイムで確認します。バリウム検査が「影」で判断するのに対して、胃カメラは粘膜の色やわずかな凹凸を直接目で見られるため、初期の病変を拾い上げやすいのが特長です。
組織採取でその場から診断につなげられる
検査中に気になる部分が見つかれば、そのまま組織を採取(生検)して病理検査へ回せます。ピロリ菌の有無もこの検体を使って調べられるため、「検査→診断→治療方針の決定」を一本の流れで進めやすい検査です。
発見される主な疾患──病気ごとの特徴と見逃されやすいケース
胃がん──初期は「痛くも痒くもない」ことが多い
国立がん研究センターの統計によると、胃がんの年間罹患数は約11万例(2021年・男女計)にのぼります。厄介なのは、国立がん研究センターがん情報サービスでも「早い段階では自覚症状がほとんどなく、かなり進行しても症状がない場合があります」と説明されているとおり、初期に分かりやすい症状が出にくいこと。「胃の調子が悪いから検査に行く」のでは手遅れになる場合があり、自覚症状がないうちの検査が早期発見の鍵になります。ステージIの胃がんであれば5年生存率は90%を超えるとされており、見つかるタイミングひとつで予後が大きく変わります。
逆流性食道炎──胸やけを「体質」で片づけない
胃酸が食道に逆流して粘膜が荒れる病気です。胸やけや酸っぱいものがこみ上げる感覚(呑酸)が典型的で、放置すると食道粘膜の損傷が進むおそれがあります。市販の胃薬で一時的に楽になるため受診が遅れがちですが、胃カメラで食道下部を直接観察すると炎症の程度が正確に分かり、適切な治療につながります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍──ピロリ菌と鎮痛薬が二大原因
みぞおちの強い痛みや空腹時の胃痛、黒っぽい便が代表的な症状です。原因の多くはピロリ菌感染かNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬、いわゆる痛み止め)の長期使用で、胃カメラでは潰瘍の深さや出血の有無まで確認でき、そのまま止血処置に移れる場合もあります。
食道がん──お酒とたばこの習慣がある方は要注意
食道がんは初期にほぼ無症状で、飲み込みにくさを自覚したときにはすでに進行しているケースも珍しくありません。飲酒・喫煙がリスク因子として知られており、NBI(狭帯域光観察)を搭載した内視鏡では、通常光では見逃しやすい粘膜の色調変化も拾いやすくなっています。
ピロリ菌感染──除菌で将来の胃がんリスクを下げる方向へ
ピロリ菌に感染したまま放置すると慢性胃炎から萎縮性胃炎へと進み、胃がんの発症リスクが高まるとされています。胃カメラ検査時に組織を採取してピロリ菌の有無を調べ、陽性であれば除菌治療を医師と検討できます。ただし、除菌後も胃がんリスクがゼロになるわけではないため、定期的な検査の継続が大切です。
そのほかに見つかることがある病気
食道裂孔ヘルニア、胃ポリープ、十二指腸ポリープ、胃アニサキス症なども胃カメラで確認できます。アニサキスに関しては、検査中に鉗子で虫体を摘出する治療が一般的に行われており、強い胃痛をいち早く解消できる点もメリットです。
胃カメラで発見される主な病気と代表的な症状
| 疾患名 | 代表的な症状 | 見逃しを防ぐヒント |
|---|---|---|
| 胃がん | 初期はほぼ無症状。進行すると食欲低下・体重減少 | 国の指針では50歳から2年に1回の検診を推奨 |
| 食道がん | 初期はほぼ無症状。進行すると飲み込みにくさ | 飲酒・喫煙習慣がある方はNBI併用検査を相談 |
| 逆流性食道炎 | 胸やけ、酸っぱいものが上がる感じ(呑酸) | 市販薬で様子見が続いたら受診を |
| 胃潰瘍・十二指腸潰瘍 | みぞおちの痛み、空腹時の胃痛、黒い便 | 痛み止め(NSAIDs)の常用がある方は医師に伝える |
| ピロリ菌感染による慢性胃炎 | 胃もたれ、膨満感(無症状の場合も) | 家族にピロリ菌陽性者がいたら一度検査を |
| 胃アニサキス症 | 食後数時間の激しい胃痛、嘔吐 | 生魚を食べた後の急な胃痛は早めに連絡 |
発見率を上げる5つの準備──検査を受ける前に患者さんができること
1. 前日の食事制限を守って胃を空にする
胃の中に食べ物が残っていると、粘膜がカメラの視野に入りにくくなります。前日の夕食は20時ごろまでに済ませ、消化のよいおかゆや素うどんを選んでください。揚げ物やきのこ、海藻など消化に時間がかかる食品は控えるのが基本です。具体的なメニューの選び方は「胃カメラ前日の食事と飲み物」にまとめています。
2. 内服薬の情報を正確に伝える
血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)や糖尿病の薬を飲んでいる方は、検査前に服用方法を調整する場合があります。お薬手帳を持参し、普段飲んでいる薬をすべて医師に共有してください。自己判断で服用を中止すると別のリスクが生じるため、必ず事前に相談を。
3. ピロリ菌の検査歴・除菌歴を確認しておく
ピロリ菌の除菌が済んでいるかどうかで、観察の重点部位が変わります。ご家族にピロリ菌陽性者や胃がんの既往がある方は、そのことも問診で伝えると、医師がより慎重に胃粘膜の萎縮パターンを確認できます。
4. 鎮静剤の使用を事前に検討する
緊張で体が強ばると、のどや胃の反射が出やすくなり、観察にかかる時間が延びることがあります。鎮静剤を使うとリラックスした状態で検査が進むため、医師がじっくり粘膜を観察しやすくなります。野々市・白山エリアは車移動が中心の方が多いので、鎮静剤を使うと決めたら前日のうちにご家族の送迎やタクシーの手配を済ませておくと安心です(鎮静剤使用後は当日の車・バイク・自転車の運転ができません)。
5. 検診の対象年齢とリスクを知っておく
国の指針(厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」)では、胃がん検診の対象は50歳以上・2年に1回が基本です。ただし、ピロリ菌感染歴がある方、胃がんの家族歴がある方、胃の症状が続いている方などは、50歳未満でも医師と相談のうえ胃カメラ検査を検討してください。「何歳から、どのくらいの頻度で受けるか」は個人のリスクによって異なるため、まずは一度医師に相談するのが確実です。
家族に検査を勧めるときに伝えたい3つのこと
「痛くなかった」体験談がいちばんの後押し
検査を受けたことがある方が「鎮静剤を使ったら気づいたら終わっていた」と伝えるだけで、ご家族の心理的ハードルはぐっと下がります。特に50歳以上で未受診のご両親やパートナーには、体験を伝えることが大きな後押しになります。
「胃がんは早く見つければ治る可能性が高い」事実を共有する
ステージIの胃がんの5年生存率は90%を超えるとされています(厚生労働省「全国がん登録 5年生存率報告」等)。「早く見つかれば内視鏡治療だけで終わるケースもある」という具体的な情報は、検査を迷っているご家族の背中を押す材料になります。
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参考文献
※本記事テーマに関連する主な参考資料
- 国立がん研究センターがん情報サービス「胃」統計情報(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/5_stomach.html)
- 国立がん研究センターがん情報サービス「胃がん検診について」(https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/stomach.html)
- 厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」最新版(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001471911.pdf)
- 日本消化器内視鏡学会 市民向けFAQ「胃がん検診:バリウムと胃カメラ」(https://www.jges.net/citizen/faq/general_04)
- 金沢消化器内科・内視鏡クリニック「胃カメラで分かる症状 検査の流れ」(https://naishikyo.or.jp/gastrocamera/gastroscopy/)
よくある質問
- Q. 胃カメラで見つかる病気は胃だけですか?
- A. 胃だけではありません。食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察するため、食道がんや逆流性食道炎、十二指腸潰瘍、アニサキス症なども発見の対象になります。
- Q. バリウム検査と比べて胃カメラのほうが見つかりやすいのですか?
- A. 胃カメラは粘膜を直接観察するため、バリウム検査では捉えにくい平坦な病変や微小な色調変化を拾いやすいとされています。疑わしい部分があればその場で組織を採取できる点も大きな利点です。
- Q. 胃がん検診は何歳から受ければよいですか?
- A. 国の指針では50歳以上・2年に1回が基本です。ただし、ピロリ菌感染歴がある方や胃がんの家族歴がある方、胃の症状が続いている方は、50歳未満でも医師に相談のうえ早めの受診を検討してください。
- Q. ピロリ菌の除菌後も胃カメラは必要ですか?
- A. 除菌後も胃がんのリスクがゼロになるわけではないため、医師と相談のうえ定期的な胃カメラ検査の継続をおすすめしています。
- Q. 検査前日に食べてはいけないものはありますか?
- A. 揚げ物、脂身の多い肉、きのこ、海藻、繊維の多い根菜類は消化に時間がかかるため控えてください。おかゆや素うどんなど消化のよいものを選び、20時ごろまでに食事を済ませるのが目安です。
- Q. 鎮静剤を使うと検査の精度が変わりますか?
- A. 鎮静剤で体の緊張がほぐれると、のどや胃の反射が抑えられ、医師が落ち着いて粘膜を観察しやすくなります。ただし鎮静剤使用後は当日の車の運転ができないため、帰りの手段を事前に確保してください。
- Q. 家族にピロリ菌陽性者がいます。自分も検査したほうがよいですか?
- A. ピロリ菌は家庭内感染のリスクがあるため、ご家族に陽性者がいる場合は医師に相談のうえ検査を受けることをおすすめします。胃カメラ検査時にあわせて調べられます。
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