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ピロリ菌除菌の費用・副作用・成功率|初めての方へ

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ピロリ菌の除菌治療|費用の目安・副作用・成功率を専門医が解説

健診でピロリ菌陽性の結果を受け取り、「除菌にどのくらいお金がかかるんだろう」「薬の副作用が心配」と感じている方は少なくありません。ご家族から「自分も調べたほうがいいのかな」と相談を受けることも増えています。この記事では、除菌治療にかかる費用の目安から副作用の内容、成功率の実際まで、はじめての方にもわかるようにまとめました。

【動画で解説】胃カメラで見つかったピロリ菌と胃がんリスク

この記事のポイント

  • 保険適用なら除菌治療の自己負担は3割負担で約6,000〜8,000円が目安です
  • 副作用は軟便・下痢がもっとも多く、多くの場合は服薬終了後に落ち着きます
  • P-CABを使った一次除菌の成功率は約90%前後とされ、二次除菌まで含めると大多数の方で成功が報告されています
  • 除菌が成功しても定期的な胃カメラ検査を続けることが大切です
  • ご家族にピロリ菌感染者がいる場合、他のご家族も検査を検討してください

ピロリ菌の除菌治療にかかる費用の目安

保険が適用される条件とは

ピロリ菌の除菌治療で保険が使えるかどうかは、「胃カメラ検査を受けたうえで、所定の診断がついているか」がポイントです。胃カメラで慢性胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍の診断を受け、ピロリ菌感染が確認された方は、2回目の除菌治療まで健康保険が適用されます(厚生労働省 保医発0221第31号)。

逆に、胃カメラを受けずにピロリ菌検査だけを希望する場合は自費診療となります。人間ドックなどで半年以内に胃カメラを受けて胃炎を指摘されている方は、その結果を持参していただければ保険適用で除菌を始められるケースもあります。

自己負担額の目安を確認する

保険適用の場合、一次除菌にかかる薬代は3割負担で約6,000〜8,000円程度です(胃カメラ検査費用は別途かかります)。一次除菌がうまくいかず二次除菌を行うと、追加で同程度の費用が発生します。

自費診療の場合は検査から除菌薬まですべて実費になるため、トータルで20,000〜30,000円程度になるのが一般的です。ちなみに3回目以降の除菌治療も自費扱いですが、当院では対応しています。

除菌薬の副作用と服用中の注意点

よく報告される症状

除菌治療では、胃酸分泌抑制薬1種類と抗菌薬2種類の合計3種類を1日2回、7日間服用します。この期間中に見られやすい副作用としては、軟便・下痢、味覚の変化、皮膚の発疹が報告されています。頻度は研究や薬の組み合わせによって異なりますが、日本ヘリコバクター学会のガイドラインでも下痢・軟便がもっとも多い副作用として挙げられています。

下痢や味覚の変化については、服薬が終わればほとんどの方で元に戻ります。腸内細菌のバランスが一時的に変わることが原因と考えられており、過度に心配する必要はありません。

服薬中に注意したいこと

飲み忘れると除菌の成功率が下がるため、毎日決まった時間に服用する習慣をつけてください。朝食後と夕食後に飲む方が多いです。飲酒は薬の効果を弱める可能性があるため、7日間はお酒を控えることをおすすめしています。

まれに高熱をともなう皮膚症状や、血便などの重い症状が出るケースがあります。そのような場合はすぐに服薬を中止し、医療機関を受診してください。

除菌の成功率を左右する要素

P-CABの登場で成功率が向上

以前の除菌治療ではPPI(プロトンポンプ阻害薬)が使われていましたが、近年はP-CAB(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)という胃酸分泌抑制薬が主流です。P-CABは胃酸をより強力に抑え、抗菌薬が効きやすい環境をつくります。

Murakamiらの第III相臨床試験(Gut 2016)では、P-CABを用いた一次除菌の成功率は92.6%と報告されました。ただし研究の条件や薬剤耐性の状況によって結果には幅があり、実臨床では80〜90%台とされています。一次除菌で除菌できなかった場合は、抗菌薬の一部を変更して二次除菌を行います。同試験では二次除菌の成功率は98.0%と報告されており、二次除菌まで含めると大多数の方で除菌が成功しています。

成功率に影響するポイント

除菌がうまくいかない主な原因は、薬剤耐性菌(特にクラリスロマイシン耐性菌)の存在と、服薬の中断です。途中で飲むのをやめてしまうと耐性菌を増やすリスクもあるため、副作用が気になっても自己判断で中止せず、まず主治医に相談してください。

喫煙も除菌の成功率を下げるとの報告があります(日本ヘリコバクター学会ガイドライン)。除菌期間中だけでも禁煙を心がけると、薬の効果を高める一助になります。

除菌後も胃カメラが必要な理由

除菌しても胃がんリスクはゼロにならない

「除菌が成功すれば胃がんの心配はない」と思いがちですが、実際はそうではありません。ピロリ菌に感染していた期間に生じた粘膜の変化(萎縮性胃炎や腸上皮化生など)は、除菌しても完全には元に戻らないことがあります。感染したことがない方と比べると、除菌後もなお胃がんのリスクは残ります。

定期的な胃カメラ検査の目安

日本消化器内視鏡学会は、ピロリ菌除菌後で萎縮性胃炎や腸上皮化生がある方に対して、2〜3年間隔での内視鏡検査を目安として示しています。ただし、萎縮の程度が強い方や、胃がんの家族歴がある方は、より短い間隔(年1回など)での検査が望ましい場合もあります。当院では患者さんごとのリスクに応じた検査間隔をご提案しています。「ピロリ菌を除菌した=もう大丈夫」ではなく、定期検査こそが胃がん予防の仕上げです。

家族にピロリ菌が見つかったときの対応

家庭内での感染経路を知っておく

ピロリ菌は幼少期の経口感染が主な感染経路と考えられています。親から子へ食事を口移しで与えていた時代に感染が広がったケースが多く、感染者のいる家庭では兄弟や親も同じように感染している可能性があります。

成人同士の感染リスクは低いとされていますが、「親がピロリ菌陽性だった」「祖父母が胃がんになった」という方は、一度検査を受けておくと安心です。

野々市・白山エリアで受診を迷っている方へ

当院では胃カメラ検査の際にピロリ菌感染の有無も確認し、陽性の場合はそのまま除菌治療の相談に進めます。鎮静剤を使用した苦痛に配慮した検査も行っていますので、胃カメラが初めての方やご家族そろって受診を考えている方も、まずはお気軽にご相談ください。

除菌治療の費用と成功率の比較

項目 一次除菌 二次除菌 三次除菌以降
使用薬剤 P-CAB+アモキシシリン+クラリスロマイシン P-CAB+アモキシシリン+メトロニダゾール 医師と相談のうえ選定
服用期間 7日間(1日2回) 7日間(1日2回) 7日間(1日2回)
保険適用 適用あり 適用あり 自費診療
薬代の目安(3割負担) 約6,000〜8,000円 約6,000〜8,000円 約10,000〜15,000円
成功率の目安 約80〜90%台(研究条件により幅あり) 二次除菌まで含め大多数で成功 症例により異なる

参考文献

  • 日本ヘリコバクター学会ガイドライン作成委員会 編『H. pylori感染の診断と治療のガイドライン 2024改訂版』先端医学社, 2024年
  • 厚生労働省「ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療に関する取扱いについて」保医発0221第31号(2013年2月)
  • Murakami K, et al. "Vonoprazan, a novel potassium-competitive acid blocker, as a component of first-line and second-line triple therapy for Helicobacter pylori eradication: a phase III, randomised, double-blind study." Gut. 2016;65(9):1439-1446. PMID: 26935876.
  • 国立がん研究センター がん情報サービス「胃がん」(https://ganjoho.jp/public/cancer/stomach/
  • 日本消化器内視鏡学会 市民向けFAQ「胃内視鏡検査は何年に1回受ければいいですか?」(https://www.jges.net/citizen/faq/esophagus-stomach_08

よくある質問

Q. ピロリ菌の除菌治療は痛みをともないますか?
A. 除菌治療は薬の服用だけで完了するため、注射や手術のような痛みはありません。ただし、除菌前に胃カメラ検査が必要です。当院では鎮静剤を使用した苦痛に配慮した検査を行っています。
Q. 除菌の薬を飲んでいる間、仕事や日常生活に影響はありますか?
A. 通常通りの生活を送っていただけます。ただし、軟便や下痢が出る方もいらっしゃるため、気になる場合は医師にご相談ください。飲酒は7日間の服用期間中は控えてください。
Q. 子どもにピロリ菌がうつる可能性はありますか?
A. ピロリ菌は主に幼少期の経口感染で広がるとされています。大人から子どもへ食事を口移しで与えることは避けたほうが安心です。なお、成人同士の日常的な接触で感染するリスクは低いと考えられています。
Q. 除菌が成功したかどうかはいつわかりますか?
A. 薬の服用終了後、一定期間を空けてから判定検査(尿素呼気試験など)を行います。服用直後では正確な結果が出ないため、医師の指示するタイミングで再検査を受けてください。
Q. 一次除菌に失敗した場合、二次除菌の費用も保険が使えますか?
A. はい。二次除菌まで健康保険が適用されます。三次除菌以降は自費診療ですが、当院では対応しています。
Q. 除菌後の胃カメラ検査はどのくらいの間隔で受ければよいですか?
A. 日本消化器内視鏡学会は2〜3年間隔を目安としていますが、萎縮性胃炎の程度が強い方や胃がんの家族歴がある方は、より短い間隔(年1回など)が望ましい場合もあります。当院では患者さんごとのリスクに応じてご案内しています。
Q. 他院で胃カメラを受けた結果を持ち込んで除菌治療だけ受けられますか?
A. 6か月以内に他院で胃カメラを受けて胃炎の診断がついている場合は、その結果をお持ちいただければ当院で保険適用の除菌治療を開始できる場合があります。詳しくはお電話またはWEB予約でご相談ください。
 

この記事の監修医

中村文保

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院/金沢駅前院(医療法人社団心匡会理事長)

日本内科学会 総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本肝臓学会 肝臓専門医

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