「トイレで便に血がついていた」「便器の中が赤くなっていて驚いた」──血便に初めて気づいたとき、多くの方が不安を感じるものです。ご家族から「病院に行ったほうがいい」と言われても、何科を受診すればいいのか、どのくらい急いだほうがいいのかわからず迷ってしまうこともあるかもしれません。この記事では、血便の色や量から考えられる原因・緊急度の目安、そして受診先の選び方について、動画と専門記事の情報をもとに整理してお伝えします。
この記事で分かること
- 血便の色(鮮血・暗赤色・黒色)ごとに考えられる出血部位と原因疾患の目安
- 血便が出たときに受診すべき診療科と、消化器内科が適している理由
- 痔だと思い込んで放置するリスクと、大腸カメラ検査で分かること
- 動画で紹介されている実際の大腸カメラ検査の様子と発見された所見
【動画紹介】女性内視鏡医が大腸カメラで発見した「えぐれ」とは?
こちらは、金沢消化器内科・内視鏡クリニックの医療密着ドキュメンタリーチャンネルで公開された動画です。血便を主訴に来院された患者さんに対し、金沢駅前院鈴木院長が大腸カメラ検査を行い、大腸粘膜の「えぐれ」(潰瘍性の病変)を発見する過程が紹介されています。がんや難病(炎症性腸疾患)の可能性も視野に入れた、丁寧な観察と組織採取の様子をご覧いただけます。
血便の色と量から読み取れること
鮮やかな赤い血──肛門・直腸付近の出血が考えられます
トイレットペーパーに鮮やかな赤い血がつく、便器の水が赤くなるといった場合は、肛門や直腸など出口に近い部位からの出血が一般的に考えられます。痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)が原因であることが多いとされていますが、直腸ポリープや直腸がんでも同様の症状が起こる場合があります。「きっと痔だろう」と自己判断してしまいがちですが、見た目だけでは原因を特定できないため、一度は消化器内科で診察を受けることが目安となります。
暗赤色(赤黒い)の便──大腸の奥からの出血の可能性
便全体が赤黒い、あるいは暗い赤色をしている場合は、S状結腸や上行結腸など、大腸の比較的奥のほうで出血している可能性があります。大腸がん、大腸ポリープ、憩室出血、虚血性大腸炎、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患などが原因として考えられます。出血してから肛門に到達するまでに時間がかかるため、血液が酸化して暗い色合いになるのが特徴です。
黒いタール状の便──胃や十二指腸の出血が疑われます
コールタールのように黒くてドロドロした便(タール便)が出る場合は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃がんなど、上部消化管からの出血が考えられます。血液が胃酸と反応することで黒く変色するのが特徴です。めまいや冷や汗、動悸などの症状を伴う場合は緊急性が高いとされており、速やかに医療機関を受診することが大切です。
血便が出たら何科に行くべきか
血便が出た場合、一般的に推奨されるのは消化器内科の受診です。消化器内科では、問診や血液検査に加えて、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)による直接的な粘膜の観察が可能であり、出血の原因を特定しやすい環境が整っています。特に大腸カメラ検査を実施できる医療機関であれば、診察から精密検査、必要に応じたポリープ切除や組織採取まで一貫して対応できる場合があります。
「肛門が痛い」「明らかに切れ痔だ」と感じる場合には肛門科も選択肢になりますが、血便の原因が痔とは限らないため、大腸カメラ検査が受けられる消化器内科を最初に受診するのが安心です。
動画の内容まとめ──大腸カメラが映し出したもの
血便をきっかけに大腸カメラ検査へ
動画では、血便の症状で来院された患者さんが大腸カメラ検査を受ける様子が紹介されています。鎮静剤を使用することで、ウトウトした状態で検査を受けている場面が映されており、検査に対する不安をお持ちの方にとって参考になる内容です。
大腸粘膜の「えぐれ」を発見
検査の結果、大腸の粘膜に潰瘍性の病変(「えぐれ」)が確認されました。このような所見が見つかった場合、がんや炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)などの可能性を考慮し、組織を採取して病理検査に回すのが一般的な流れです。動画では女性内視鏡医師が丁寧に観察しながら生検を行っている様子が記録されています。
痔だと思い込むと危険です
動画を通じて伝えられているメッセージの一つは、「血便=痔」と自己判断して放置することのリスクです。大腸がんや炎症性腸疾患の初期症状は血便として現れることがあり、自己判断で様子を見続けることで発見が遅れる場合があります。一度でも血便に気づいたら、消化器内科への相談を検討することが大切です。
関連記事から知る──血便の原因と大腸カメラ検査の重要性
血便外来──便の色でわかる出血部位と考えられる疾患
当院の血便外来ページでは、便の色・性状と出血が疑われる部位の関係が詳しくまとめられています。鮮血は肛門・直腸付近、暗赤色は大腸全域、黒色タール便は胃・十二指腸からの出血が考えられるとされています。血便の原因となる主な疾患として、大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎・クローン病、憩室出血、虚血性大腸炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などが挙げられており、いずれも専門的な検査が必要です。
腸の病気による血便と下痢の関係
血便と下痢が同時に起こる場合は、腸の粘膜に炎症や潰瘍が生じている可能性を示唆します。感染性腸炎、炎症性腸疾患、虚血性大腸炎、大腸がんなど、さまざまな疾患が原因として考えられます。記事では、すぐに医療機関を受診すべき症状の目安として、激しい腹痛、高熱、大量の出血、意識障害などが挙げられています。
▶ 腸の病気による血便と下痢の関係|金沢消化器内科・内視鏡クリニック
血便の色からわかる病気・検査
便の色ごとに考えられる出血部位や疾患、そして便潜血検査で陽性となった場合に大腸カメラ検査を受けることの意義について解説されています。便潜血陽性の方のうち約50%で大腸腫瘍が発見されるというデータも紹介されており、無症状であっても精密検査の重要性がわかる内容です。
▶ 血便の色からわかる病気・検査|金沢消化器内科・内視鏡クリニック
当院の関連ページ
- 大腸カメラ検査について|金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院
- 胃カメラ検査について|金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院
- 初めての方へ|金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院
金沢駅前院でも受診いただけます
姉妹院の金沢消化器内科・内視鏡クリニック 金沢駅前院(金沢駅から徒歩5分)でも、同様の大腸カメラ検査・診察に対応しています。お仕事帰りや県外からの受診にも便利な立地です。
よくある質問
Q. 血便が一度だけ出て、その後は止まりました。それでも受診したほうがいいですか?
A. 一度の血便でも、大腸がんや炎症性腸疾患では出血が間欠的に起こることがあるとされています。「一回だけだったから大丈夫」と自己判断せず、消化器内科で一度相談してみることが目安になります。結果として異常がなければ、それ自体が安心につながります。
Q. 大腸カメラ検査は痛いですか?家族に付き添ってもらったほうがいいですか?
A. 鎮静剤を使用することで、ウトウトした状態で検査を受けられる医療機関が一般的に増えています。鎮静剤を使用した場合、検査後はしばらく安静にする必要があり、当日の車の運転ができない場合がありますので、ご家族の送迎や公共交通機関の利用をご検討ください。詳しくは受診先の医療機関にお問い合わせください。
Q. 血便で受診する場合、事前に準備しておくことはありますか?
A. 血便の色や量、頻度、便の形状、腹痛の有無など、症状の詳細を整理しておくと診察がスムーズです。可能であれば、便の写真をスマートフォンで撮影しておくと、医師が出血の状態を把握しやすくなります。服用中のお薬がある方は、お薬手帳もお持ちください。
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参考文献
- 大腸癌研究会 編「大腸癌治療ガイドライン 医師用 2024年版」(金原出版)
- 国立がん研究センター「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン 2024年度版」(PDF)
- 日本消化器病学会 編「大腸ポリープ診療ガイドライン 2020(改訂第2版)」(PDF)
当院で相談する目安
血便に気づいた方、便潜血検査で陽性と指摘された方、便の色や形の変化が気になっている方は、当院へご相談ください。当院では消化器内視鏡専門医が診察から大腸カメラ検査まで対応しておりますので、ご不安な点があればお気軽にご相談ください。鎮静剤を使用した検査にも対応しており、女性医師による内視鏡検査もお選びいただけます。検査が必要かどうかの判断も含めて、まずは診察でお話をお聞かせください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や検査の要否については、医師にご相談ください。






