フィブロスキャン

フィブロスキャン検査について

フィブロスキャン検査についてフィブロスキャン検査は体に特殊な「プローブ」をあて、そこから発せられる振動と超音波の伝わり方から肝臓の状態を観察することができる検査です。フィブロスキャン検査時は痛みを感じることはありません。

フィブロスキャン検査にかかる検査時間は数分程度であり、比較的短時間で肝臓の状態を観察することができます。また、フィブロスキャン検査は腹部エコー検査と同時に検査をすることが可能であり、医師が必要であると判断した場合は腹部エコー検査を一緒に実施させていただきます。

石川県内でも数少ないフィブロスキャン導入クリニック

石川県内でこの検査を受けられる医療機関は、金沢大学附属病院、石川県立中央病院、そして当院のわずか3施設のみです。
高度な大学病院レベルの検査を、地域のクリニックで身近に受けていただける環境を整えています。

フィブロスキャン検査はどんな方が実施するのか?

非アルコール脂肪性肝炎/MASH、MASLDの疑いがある方

非アルコール脂肪性肝炎/NASH(ナッシュ)の疑いがある方アルコール摂取量が少ない・アルコール摂取をしていないにも関わらず、脂肪肝の治療を受けている方の中には、肝硬変まで悪化してしまう症例が近年報告されるようになっています。このような病態を非アルコール性脂肪性肝炎(MASH、MASLD)と言い、MASH、MASLDが発症しているかどうかの検査には今までは肝生検と言う、肝臓細胞の一部を採取する方法を行っていました。

ただ最近では、フィブロスキャン検査が普及し始め、従来行っていた肝生検を実施する機会が減り、より患者さんにとって負担が少なくて済むようになりました。フィブロスキャン検査は外来診療中でも受けられる検査で、簡単に肝臓の硬さや脂肪の蓄積度合いなど測定することが可能です。

脂肪肝があって慢性肝炎の疑いがある方

今までは肝硬変(肝繊維化)への悪化の可能性のある方に対して検査を行っていましたが、フィブロスキャン検査が普及してことにより脂肪肝があって慢性肝炎の可能性がある方まで検査範囲が拡大しました。フィブロスキャン検査によってより多くの脂肪肝の治療を受けている方に検査が実施ができるようになり、脂肪肝の治療に大きく貢献しています。

肝硬変への進展の可能性が考えられる肝臓疾患の治療を受けている方

病状が悪化し、肝硬変へと進展してしまうときに、肝細胞は繊維化と言われる状態となります。肝細胞の繊維化が進んでいくと肝臓が徐々に硬くなってしまい、肝臓機能が低下していき肝硬変を発症します。

フィブロスキャン検査ではこの繊維化の進行度合いを確認することができ、簡単に繊維化の数値化ができます。今までは肝生検という入院を伴う負担のかかる方法でしか肝細胞の繊維化の進行度合いは確認できませんでしたがフィブロスキャン検査が普及することで外来診療でも簡単に検査が可能となりました。

適応となる疾患としては、原発性胆汁性硬化性胆管炎、自己免疫性肝炎、原発性硬化性胆管炎やB型肝炎、C型肝炎などがあげられます。

フィブロスキャン検査による肝硬度、脂肪量測定

フィブロスキャン検査では肝臓の硬さ、脂肪の蓄積量の測定が可能となります。

肝硬度測定(VCTE:vibration-controlled transient elastograpy)

フィブロスキャン検査で体表にプローブをあて、振動を伝えていきます。その伝わる速度によって肝臓の硬さを測定することができます。

肝硬変に進んでいくと肝臓は硬くなってしまいます。肝硬変が進んでしまっている方の場合はフィブロスキャン検査では高い数字が出てしまいます。肝硬変の進行度合い(肝臓の硬さ)はF0からF4までの5段階で評価されます。VCTEの基準値は1.5~5kPaとなります。

肝脂肪量測定(CAP:Controlled Attenuation Parameter)

肝臓に脂肪が蓄積していくと超音波は伝わりにくくなってしまいます。その原理を利用し、肝臓細胞内に蓄積した脂肪量を測定することができます。肝硬度測定と同時に測定をすることが可能です。肝臓細胞内の脂肪蓄積量はS0からS3までの4段階で評価されます。CPAの基準値は100~220dB/mとなります。

肝臓疾患で治療を受けている方へ

このフィブロスキャン検査では、肝臓の硬さと肝脂肪量の程度を測定することができます。フィブロスキャン検査の結果は数字で表示されるため、治療前後での数値の変化を確認することができます。

健康診断などで肝臓の機能で異常を指摘された方には、血液検査、超音波検査に加え、フィブロスキャン検査を当院では行い、肝臓の状態をより詳細に確認していきます。また、慢性肝炎や脂質異常症、肝硬変症などの治療を既に受けている方には、肝臓細胞内に蓄積している脂肪量の測定に加えて肝臓の硬さの度合いも測定し、肝硬変の評価を行っています。

肝臓は『沈黙の臓器』ともいわれる臓器であり、病気が進行してもなかなか自覚症状を感じることがありません。ご自身で違和感・異常を感じていなくても、健康診断などで肝臓の機能で異常を指摘されたり、脂肪肝を指摘された場合はお早めにご相談ください。当院では土曜日も外来診療やフィブロスキャン検査を行っております。

当法人は金沢駅前に分院を開設いたしました。野々市院の予約が埋まっている場合は金沢院の予約もご確認してください。
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