健康診断で再検査・要精密検査(D判定・E判定)と言われたら|項目別に次の一手を解説
結果票を開いて「要精密検査」の4文字が目に飛び込んできた。何となく怖いけれど、どの科に行けばいいのかわからないし、そもそも本当にまずいのか判断がつかない——そんな状態で、結果票を引き出しにしまったままの方は意外と多いのではないでしょうか。
この記事は、健診で引っかかりやすい項目を一つずつ取り上げ、「何が疑われているのか」「どんな精密検査を受ければいいのか」「放っておくとどうなるか」を整理したものです。野々市市・白山市・能美市周辺で精密検査の受け先を探している方が、読んだあとすぐに動けるようにまとめました。
この記事のポイント
- 健診の判定区分(A〜E)の意味と、D判定・E判定で求められる行動を整理
- 便潜血・胃バリウム・肝機能・貧血など、引っかかりやすい項目ごとに精密検査と受診先を解説
- 「放置したらどうなるか」を項目別に具体的に説明
- 当法人は野々市中央院・金沢駅前院の2院合計で年間6,902件(令和7年実績)の内視鏡検査を実施。野々市中央院では胃カメラ・大腸カメラ・CT・エコー・フィブロスキャンまで院内で対応

A〜Eの判定区分、何が違うのか
結果票に並ぶアルファベットの意味は、実は健診機関によって微妙に違います。ただし骨格は共通していて、日本人間ドック・予防医療学会の判定区分表(2026年度版)では次の5段階です。A(異常なし)、B(軽度異常)、C(要再検査・生活改善)、D(要精密検査・治療)、E(治療中)。Dを「D1:要精密検査」「D2:要治療」に分ける機関もあれば、Eを独自に「要治療」と定義しているところもあります。自分の結果票がどの体系かわからなければ、まず健診機関か、かかりつけの医療機関に確認してください。
大事なのは、C以上——つまり「何かしら引っかかった」場合は、生活改善だけでなく医療機関での確認が想定されているということです。「去年も同じくらいの数字だったし」という理由でスルーする方がいますが、去年と同じ数字でも体の中は1年分変わっています。
C判定とD判定はどう違うか
C判定は「基準をやや外れているから、しばらくして再検査してほしい」というサインです。血圧、血糖、コレステロールあたりで出ることが多く、食事や運動の見直しで正常に戻ることもあります。2026年度版の判定区分では、C判定には「○か月後に再検査」と時期を具体的に書くことが求められており、「経過観察」「様子を見てください」といった曖昧な記載はしないよう改訂されています。つまり、「経過観察=何もしなくていい」ではないということです。
D判定になると話が変わります。数値が大きく外れている、あるいは画像に所見がある。医療機関で精密検査を受けるか、治療を始める段階です。便潜血陽性、胃バリウムの異常、肝機能の大幅な上昇——こうした項目がDに振り分けられます。精密検査を受けた結果、とくに問題がなかったというケースも珍しくありませんが、受けなければそれすら分かりません。
項目別——何が疑われていて、何を受ければいいか
ここからは、引っかかりやすい項目を個別に見ていきます。結果票と照らし合わせながら、自分に該当する項目を確認してください。
便潜血陽性
便に微量の血液が混じっている状態です。大腸がん検診の一次スクリーニングとして広く行われていて、陽性が出たら大腸カメラで精密検査を受けるのが原則です。
ここで一番やってはいけないのが、「もう一度便潜血を受けて陰性だったから大丈夫だろう」と判断すること。便潜血検査は陰性であっても大腸がんを完全に否定できる検査ではなく、出血のタイミングによって結果が変わります。2日法で1日だけ陽性だった場合も、精密検査が必要です。
当法人では2院合計で年間2,959件の大腸カメラを行い、そのうち1,395件でポリープを切除しています。検査を受けた約2人に1人の割合です。一部の腺腫性ポリープは、放置すると数年〜十数年かけてがんに進展する可能性があり、見つけた段階でその場で日帰り切除できるのが大腸カメラの大きな利点です。多くの方は1回の来院で検査から処置まで完了します。詳しくは「便潜血陽性を放置するリスクと早めの検査が大切な理由」をご覧ください。
胃バリウムの異常所見
「隆起性病変」「潰瘍瘢痕」「粘膜不整」——バリウム検査でこうした所見が付いた場合、次に受けるべきは胃カメラです。バリウムはシルエットから異常を推測する検査なので、色の変化だけの病変や、表面が平坦な早期がんは捉えきれないことがあります。胃カメラなら粘膜を直接カラーで見られますし、気になる部位があればその場で組織を採って病理に出せます。
野々市中央院ではオリンパス EVIS X1のNBI(狭帯域光観察)と拡大観察を使い分け、数ミリ単位の病変を見落とさない体制で検査をしています。経鼻・経口の選択も、鎮静剤で眠った状態での検査も可能です。バリウムと胃カメラの違いをもう少し知りたい方は「バリウムと胃カメラの違い|健診後の検査選びガイド」にまとめています。
肝機能(AST・ALT・γ-GTP)の上昇
肝機能の数値が上がる原因は幅広く、脂肪肝、アルコール、ウイルス性肝炎、薬の副作用など一つに絞れません。しかも肝臓は「沈黙の臓器」で、数値がかなり悪くなっても体感としては何ともないことが多い。自覚症状がないまま脂肪肝から肝炎、肝硬変、肝臓がんへと段階的に進むケースが実際にあります。
精密検査としては、まず血液検査で肝炎ウイルスの有無や自己免疫の関与を調べ、腹部エコーで肝臓の形態を見ます。野々市中央院にはフィブロスキャンがあり、肝臓の線維化度と脂肪の蓄積量を痛みなく数値で出せるので、「いま自分の肝臓がどの段階にあるか」を客観的に把握できます。腫瘤が疑われる場合は、院内の80列CT(Canon Aquilion Lightning / Helios i Edition)で造影精査まで対応します。もっと詳しく知りたい方は「健診で肝機能異常を指摘されたら?精密検査を専門医が解説」をどうぞ。
貧血(ヘモグロビン低値)
ヘモグロビンが低いと言われたとき、女性であれば月経が原因のことも多いのですが、見落としてはいけないのが消化管からの慢性的な出血です。とくに男性や閉経後の女性で鉄欠乏性貧血が出ている場合は、胃や大腸からじわじわ出血している可能性を考えます。胃潰瘍や大腸ポリープ、大腸がんは自覚症状なく少しずつ出血するため、数か月〜数年かけて貧血が進んでいても本人は気づきにくい。
鉄剤を飲んで数値が戻っても、出血の元が残っていればまた下がります。当院では胃カメラと大腸カメラの同日検査にも対応しているので、出血源を一度にチェックできます。
血糖値・HbA1cの上昇
空腹時血糖126mg/dL以上かつHbA1c 6.5%以上は、健診上はD判定の目安です(確定診断には医療機関での再評価が必要です)。放置すれば網膜症・腎症・神経障害といった三大合併症に加え、動脈硬化の進行リスクも高まります。消化器との接点もあり、糖代謝異常は膵臓がんや大腸がんとの関連が報告されています。
当院は消化器内科が専門ですので、血糖コントロール不良の方や重症糖尿病の方には糖尿病専門医や基幹病院へご紹介し、連携して管理を行います。一方、血糖異常と脂肪肝が併存しているケースは非常に多く、その場合は肝臓専門医の立場からフィブロスキャンや腹部エコーで肝臓への影響を評価し、糖尿病側の治療と並行してフォローしています。「血糖も肝機能も引っかかった」という方は、両方まとめて診られる当院にまずお越しいただくと効率的です。
脂質異常(LDL・中性脂肪・HDL)
LDLコレステロール180mg/dL以上、HDLコレステロール29mg/dL以下でD判定です。心筋梗塞や脳卒中の原因になる動脈硬化との関係は広く知られていますが、消化器領域でも無関係ではありません。高度の高中性脂肪血症は急性膵炎の原因になり得ますし、脂質異常と内臓脂肪の蓄積は脂肪肝と直結します。
脂質と肝機能の両方で引っかかっている方は「肥満と高脂血症(脂質異常症)の原因・脂肪肝リスク・改善法」も読んでみてください。
「何科に行けばいいかわからない」なら、まず消化器内科に来てください。消化器の精密検査が要るかどうかをその場で判断し、ほかの科が適切であればご紹介します。
見落としやすい項目——消化器内科で対応できること
胸部X線の異常影
胸部X線で「異常影あり」と出たら、胸部CTなどで精密に評価するのが一般的な流れです。野々市中央院にはCanon Aquilion Lightning / Helios i Edition(80列)のCTがあり、微細な結節の性状評価にも対応できます。「胸部X線「異常影あり」の結果票が届いたら確認すべきこと」もあわせてお読みください。
腹部エコーで膵のう胞・胆のうポリープが見つかった
人間ドックの腹部エコーで「膵のう胞」「膵管拡張」「胆のうポリープ」を指摘される方が増えています。膵のう胞のなかにはIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)と呼ばれるものがあり、年単位でゆっくり悪性化するリスクを持っています。「要経過観察」と書いてあると安心してしまいがちですが、経過観察とは「定期的に画像を撮り続ける」ことであって「何もしない」ことではありません。
Kyoto Guidelines 2024では、のう胞のサイズや壁在結節の有無などによってフォロー間隔が細かく分かれており、6か月、12か月、18か月といった形で管理されます。当院では腹部エコー(年間2,960件・2院合計)とCTを組み合わせた評価を行っています。具体的なフォロー基準は「IPMNのCT・MRI間隔|Kyoto Guidelines 2024の基準を専門医が解説」にまとめました。
ピロリ菌抗体陽性
採血でピロリ菌の抗体が陽性だった方は、胃カメラで胃粘膜の萎縮を確認し、除菌治療に進むのが標準的な流れです。ピロリ菌は胃がん最大のリスク因子であり、除菌すれば発がんリスクを下げられます。ただし除菌後もリスクがゼロになるわけではなく、萎縮の程度に応じて医師の指示に沿った定期的な内視鏡フォローを続けることが欠かせません。費用や成功率については「ピロリ菌除菌の費用・副作用・成功率|初めての方へ」を参考にしてください。
放置した場合に何が起きるか
「症状がないから大丈夫」「来年の健診で考える」——その判断が1年後に後悔に変わることがあります。健診で見つかる異常の多くは、症状が出た段階ではすでに進行しているものです。以下の表はあくまで一般的なリスクの整理であり、全員に当てはまるわけではありませんが、行動の判断材料にしてください。
| 指摘項目 | 放置で想定されるリスク | 精密検査の目安時期 |
|---|---|---|
| 便潜血陽性 | 大腸がんの発見が遅れステージが進む。ポリープのがん化が進行 | なるべく早く(1か月以内が望ましい) |
| 胃バリウム異常 | 早期胃がんの見逃し。潰瘍の再発や穿孔・出血 | 1〜2か月以内 |
| 肝機能異常 | 脂肪肝→肝炎→肝硬変→肝臓がんへの段階的進行 | 1〜3か月以内 |
| 貧血 | 消化管出血の見逃し。重度なら心不全リスクも | 1か月以内 |
| 血糖異常 | 糖尿病の発症・進行。三大合併症 | 1か月以内 |
| 胸部X線異常影 | 肺がん等の発見遅延 | なるべく早く |
| 膵のう胞・膵管拡張 | IPMNの悪性化。膵臓がんの発見遅延 | 所見・サイズに応じて6〜18か月(ガイドライン準拠) |
野々市中央院で受けられる精密検査
健診で複数の項目に引っかかると、「あちこちの病院を回らないといけないのか」と気が重くなりがちです。野々市中央院は消化器内科・肝臓内科の専門クリニックで、院内に胃カメラ・大腸カメラ・CT・腹部エコー・フィブロスキャンを揃えています。健診後の精密検査は、大半が1か所で完結します。
| 健診の指摘 | 精密検査 | 当院での対応 |
|---|---|---|
| 便潜血陽性 | 大腸カメラ | 2院合計で年間2,959件。ポリープは日帰り切除 |
| 胃バリウム異常 | 胃カメラ | 2院合計で年間3,530件。EVIS X1のNBI拡大観察 |
| 肝機能異常 | 採血+腹部エコー+フィブロスキャン | 肝臓専門医在籍。フィブロスキャンで線維化を数値化 |
| 貧血 | 胃カメラ+大腸カメラ(出血源の検索) | 同日に上下部内視鏡を実施可能 |
| 胸部X線異常影 | CT | Canon 80列CT(単純・造影対応) |
| 膵のう胞・膵管拡張 | 腹部エコー+CT | 2院合計で年間2,960件の超音波検査実績 |
| ピロリ菌抗体陽性 | 胃カメラ+迅速ウレアーゼ試験 | 検査・除菌・フォローまで一貫対応 |
月〜金曜に加えて土曜も診療、日曜は完全予約制で内視鏡検査のみ実施しています。駐車場は120台。白山市や能美市方面から車で来られる方も多い立地です。検査体制の全体像は当院の人間ドック・健康診断ページにまとめています。
理事長 中村文保より
「一般的な健診ではバリウムと便潜血が中心ですが、早期がんの発見には限界があります。野々市中央院では胃・大腸の内視鏡に加え、80列CT、超音波(年間2,960件)、FibroScan、マンモグラフィ(年間1,926件)、乳腺エコー(年間1,270件)を揃え、消化器から乳腺までワンストップで対応しています。土曜診療・日曜予約枠もありますので、ご都合に合わせてお使いください。」
よくある質問
- Q. 紹介状がなくても精密検査を受けられますか?
- A. 受けられます。健診の結果票をお持ちいただければ、その内容をもとに医師が必要な検査を判断します。
- Q. 便潜血が2日法で1日だけ陽性でした。精密検査は要りますか?
- A. 要ります。陰性の日があっても出血を否定できるわけではなく、1日でも陽性なら大腸カメラが推奨されます。
- Q. 肝機能が毎年少しだけ高いのですが、体調は問題ありません。それでも受診すべきですか?
- A. 体調が良くても受診をお勧めします。肝臓は相当進行するまで症状が出にくい臓器です。「少しだけ高い」が何年も続いている場合、脂肪肝の進行や慢性肝炎が隠れていることがあります。フィブロスキャンで線維化の程度を数値化すれば、今の状態をはっきり確認できます。
- Q. 精密検査の費用は保険が使えますか?
- A. 健診で要精密検査と判定されたあとの検査は、多くの場合は保険診療で対応されます。ただし検査内容によっては扱いが異なることもあるため、受診時にご確認ください。
- Q. 複数の項目で引っかかりました。何回も通わないとだめですか?
- A. 組み合わせ次第ですが、胃カメラと大腸カメラの同日検査や、エコーとCTの同日実施は可能です。予約時にどの項目で指摘を受けたかをお伝えいただければ、なるべく少ない回数で済むよう調整します。
まとめ
健診で「再検査」「要精密検査」が付いた項目は、症状がなくても放っておいていいものではありません。便潜血なら大腸カメラ、バリウム異常なら胃カメラ、肝機能異常ならエコーやフィブロスキャン。やるべき検査は項目ごとにはっきり決まっています。この記事を参考に、自分に必要なものを確認してください。
当法人では野々市中央院と金沢駅前院の2院合計で年間6,902件(令和7年実績)の内視鏡検査を行っています。野々市中央院は胃カメラ・大腸カメラ・CT・エコー・フィブロスキャンを院内に揃え、健診後の精密検査をほぼ1か所で完結できます。野々市・白山・能美方面にお住まいで、結果票を受け取ったまま止まっている方は、まず予約を入れるところから始めてみてください。
参考文献
- 日本人間ドック・予防医療学会「判定区分 2026年度版」(2025年12月8日公開・2026年4月1日施行) https://www.ningen-dock.jp/other_inspection/
- 厚生労働省「労働安全衛生法に基づく定期健康診断」 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000136750.pdf
- 国立がん研究センター「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン」2024年度版 https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2024/1127/index.html
- Ohno M, et al. Revised Kyoto guidelines for the management of IPMN of the pancreas. Pancreatology. 2024. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38182527/
当院で相談する目安
便潜血陽性、胃バリウム異常、肝機能異常、貧血、胸部X線異常影、膵のう胞、ピロリ菌抗体陽性——このうち一つでも指摘されたら、野々市中央院の消化器内科・肝臓内科にお越しください。結果票の内容を見て、胃カメラ・大腸カメラ・CT・エコー・フィブロスキャンの中から必要な検査をその場でご案内します。土曜も診療、日曜は完全予約制で内視鏡検査に対応。野々市市のほか白山市・能美市方面からの来院も多く、駐車場は120台あります。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や検査の要否については、医師にご相談ください。








理事長 中村文保より
「健診で要精密検査と出ても、実際に受診される方は半分もいません。忙しい、症状がない、怖い。理由はさまざまですが、結果票を持ってきてくださった方の中から実際にがんや深刻な病気が見つかるケースを何度も経験しています。当法人では2院合計で年間6,902件の内視鏡検査を行っており、健診後の精密検査にも日常的に対応しています。結果票1枚あれば、あとはこちらで必要な検査を組み立てます。まず来ていただくことが一番大事です。」