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フィブロスキャン検査とは|kPa・CAP値と費用を肝臓専門医が解説

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フィブロスキャン検査とは?数値の読み方・費用・脂肪肝改善の追跡まで肝臓専門医が解説

「フィブロスキャンの数値が出たけれど、この数字は良いの?悪いの?」「検査費用はどのくらいかかるの?」——健診で脂肪肝や肝機能異常を指摘されたあと、フィブロスキャン検査について調べている方が増えています。フィブロスキャンは、肝臓の硬さ(線維化)と脂肪の蓄積量を痛みなく数値化できる検査です。この記事では、測定される2つの数値の読み方、費用の目安、そして脂肪肝の改善を数値で追跡する方法まで、肝臓専門医の立場からお伝えします。

この記事のポイント

  • フィブロスキャンで測定するkPa(肝硬度)とCAP値(肝脂肪量)の目安と段階がわかる
  • 検査費用は保険適用で、腹部エコー・血液検査を含め3割負担でおおむね2,000〜3,000円程度が目安
  • 脂肪肝の改善度を定期的に数値で追跡し、治療効果を客観的に確認できる
  • 当院(野々市中央院)は公開登録ベースで石川県内3施設のフィブロスキャン導入クリニック
野々市中央院に導入されているフィブロスキャン検査装置

フィブロスキャンで測定する2つの数値の読み方

肝硬度(kPa)──肝臓がどれくらい硬くなっているか

フィブロスキャンでは肝臓の硬さをkPaで数値化します。当院ではVCTE 1.5〜5kPaを基準の目安として案内していますが、一般には病因や評価目的によって区切り値に幅があります。進行線維化の可能性が低い目安は8kPa未満、高度線維化・肝硬変を疑う目安は12〜15kPa以上とされますが、炎症や飲酒、食後などでも高値になることがあります。

線維化の進行度はF0(正常)からF4(肝硬変)までの5段階で評価されます。測定精度を保つため、検査は空腹時(3時間以上の絶食)に行うのが原則です。数値の解釈は病態や背景疾患によって異なるため、結果は必ず医師の説明を受けたうえで判断してください。

肝脂肪量(CAP値)──肝臓にどれだけ脂肪がたまっているか

もう一つの測定値がCAP(Controlled Attenuation Parameter)です。超音波が肝臓を通過するとき、脂肪が多いほど超音波が減衰しやすくなる原理を利用して、脂肪の蓄積度を数値化します。単位はdB/m(デシベル・パー・メートル)です。

当院では100〜220dB/mを目安として案内していますが、一般にCAPの区切り値は一律ではありません。報告によって248dB/m以上で脂肪肝を示唆、268dB/m以上で中等度以上、280dB/m以上で高度脂肪化を示唆するとされます。肝脂肪蓄積量はS0からS3の4段階で整理されることもあります。肝硬度と同時に測定できるため、「硬さ」と「脂肪量」の両面から肝臓の状態を把握できるのがフィブロスキャンの特長です。

測定項目 何を見るか 当院での目安 一般に提案されている区切り値
肝硬度(VCTE) 肝臓の硬さ(線維化の程度) 1.5〜5kPa 8kPa未満で進行線維化の可能性が低い/12〜15kPa以上で高度線維化を示唆
肝脂肪量(CAP) 肝臓の脂肪蓄積度 100〜220dB/m 248dB/m以上で脂肪肝/268dB/m以上で中等度以上/280dB/m以上で高度

※区切り値は病因やガイドラインによって異なります。数値の解釈は医師にご確認ください。

検査の流れと費用──痛みなし・数分で終了

検査当日の流れ

フィブロスキャンの検査はベッドに仰向けになり、右脇腹に専用プローブを当てるだけで終わります。プローブから軽い振動が伝わりますが、痛みはありません。測定は10回行い、その中央値を結果として採用します。検査時間は数分から10分程度です。

測定精度を保つために、検査前は3時間以上の絶食をお願いしています。腹部エコーと同日に実施できるため、医師が必要と判断した場合は同じ日にまとめて受けられます。結果はその場で数値として確認でき、医師から直接説明を受けられます。

費用の目安

フィブロスキャン検査は保険適用です。実際の診療では保険適用の関係で腹部エコーや血液検査を同日に行うことが多く、3割負担の場合の自己負担はおおむね2,000〜3,000円程度が目安になります。診察料は別途かかります。正確な費用は保険の負担割合や同日の検査内容によって異なりますので、診察時にお尋ねください。

野々市中央院の腹部エコー検査装置

脂肪肝の改善をフィブロスキャンで追跡する

数値で「良くなっている」が分かる意味

脂肪肝の治療は食事の見直しや運動が基本ですが、続けていても「本当に肝臓は良くなっているのだろうか」と感じることがあります。体重計の数字が減っても、肝臓の中の脂肪が減っているとは限りません。フィブロスキャンを定期的に受けることで、肝脂肪量(CAP値)と肝硬度(kPa)の推移を客観的な数値で確認できます。

NAFLD/NASH診療ガイドライン2020では、体重を7%以上減量すると肝臓の脂肪化や炎症の改善が認められ、10%以上の減量では線維化の改善も期待できるとされています。なお、3〜5%程度の減量でも脂肪化の改善が認められるとする報告もあります。フィブロスキャンがあれば、こうした改善をCAP値やkPaの変化として数値で実感できます。

再検のタイミングは個別に判断

フィブロスキャンの再検間隔は一律ではなく、初回の数値、線維化の程度、糖尿病などの併存疾患、生活習慣改善の進み具合を踏まえて個別に決めます。脂肪肝の経過観察では、医師が必要と判断したタイミングで再評価を行います。初回の検査でベースラインの数値を把握しておくことが、そのあとの変化を比較するための出発点になります。

野々市中央院のWEB予約はこちら

健診で脂肪肝や肝機能異常を指摘された方は、まず診察で検査が必要かを確認できます。健診結果をお持ちいただくと初回の判断がスムーズです。

フィブロスキャンと他の検査はどう違う?

腹部エコーとの役割の違い

腹部エコーは肝臓に脂肪がたまっているかどうかを画像で確認する検査です。放射線を使わず繰り返し受けやすい反面、脂肪の量や線維化の進み具合を正確に数値化するのは難しいという面があります。フィブロスキャンは脂肪量と線維化をそれぞれ数値化できるため、「どのくらい進んでいるか」「改善しているか」を定量的に評価する用途に向いています。

血液検査(FIB-4 index)との組み合わせ

FIB-4 indexは年齢、AST、ALT、血小板数から計算する指標で、肝臓の線維化リスクを大まかに推定できます。追加の検査が不要で手軽に計算できる反面、精度にはばらつきがあります。AASLDのPractice Guidanceでは、FIB-4が中間リスク以上の場合にフィブロスキャンなどで線維化の程度を詳しく評価する流れが整理されています。

肝生検との違い

肝生検は今も詳細評価の基準となる検査ですが、侵襲的で安静観察が必要です。施設によって日帰りまたは入院で行われます。一方、フィブロスキャンは痛みがなく外来で繰り返し受けられるため、経過を追うモニタリングに適しています。

公開登録ベースで石川県内3施設のフィブロスキャン導入院

当院で身近にフィブロスキャンを受けられます

公開登録ベースでは、石川県内でフィブロスキャンの掲載が確認できる医療機関は、金沢大学附属病院、石川県立中央病院、当院(野々市中央院)の3施設です。大学病院レベルの検査を、地域のクリニックで身近に受けられる環境を整えています。土曜日も外来診療とフィブロスキャン検査に対応しています。

野々市市・白山市・能美市など近隣にお住まいの方はもちろん、金沢市内からもお越しいただいています。検査結果はその場で数値として確認でき、肝臓専門医が直接説明しますので、「数値の意味が分からない」という心配はありません。

野々市中央院での診察風景

よくある質問

Q. フィブロスキャン検査に痛みはありますか?
A. 痛みはありません。右脇腹にプローブを当てるだけの検査で、軽い振動を感じる程度です。検査時間は数分から10分程度で、外来で受けられます。
Q. 食事をしてから行っても大丈夫ですか?
A. 測定精度を保つため、検査前に3時間以上の絶食をお願いしています。水やお茶は飲んでいただいて構いません。
Q. フィブロスキャンは保険が使えますか?費用はいくらですか?
A. 保険適用です。腹部エコーや血液検査を同日に行う場合、3割負担でおおむね2,000〜3,000円程度が目安です。診察料は別途かかります。正確な費用は同日の検査内容によって異なりますので、診察時にお尋ねください。
Q. 健診で脂肪肝と言われただけでも受けられますか?
A. 受けられます。脂肪肝が「軽い段階」なのか「線維化が進んでいる段階」なのかを見極めるうえでフィブロスキャン検査は有用です。健診結果をお持ちいただくと、検査の必要性をその場で判断できます。
Q. 女性医師に診てもらえますか?
A. 当院には女性医師が在籍しています。WEB予約時またはお電話(076-259-0378)でご希望をお伝えください。

まとめ

フィブロスキャンは、肝臓の硬さ(kPa)と脂肪量(CAP値)を痛みなく数値化し、脂肪肝がどの段階にあるかを客観的に評価できる検査です。検査自体は数分で終わり、費用も保険適用で腹部エコー・血液検査を含めて3割負担でおおむね2,000〜3,000円程度のため、経過を追うモニタリングにも向いています。脂肪肝を指摘されて生活改善に取り組んでいる方にとっては、「肝臓が本当に良くなっているか」を数値で確認できる手段です。

健診で脂肪肝や肝機能異常を指摘されたまま様子を見ている方は、まず一度、数値で肝臓の状態を確認してみてください。当院では健診結果をお持ちいただければ、フィブロスキャンの必要性を含めて診察時に判断できます。

参考文献

当院で相談する目安

健診で脂肪肝を指摘された方、ALT・γ-GTPなど肝機能の数値に異常が出ている方、脂肪肝の治療効果を数値で確認したい方は、一度フィブロスキャンによる精密検査をご検討ください。当院(野々市中央院)は公開登録ベースで石川県内3施設のフィブロスキャン導入クリニックとして、腹部エコー・血液検査・CT検査と組み合わせた肝臓の総合評価に対応しています。女性医師による診察も可能です。野々市市・金沢市・白山市・能美市など近隣にお住まいの方はお気軽にお越しください。

文責

中村 文保

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院/金沢駅前院(医療法人社団心匡会 理事長)

日本内科学会 総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本肝臓学会 肝臓専門医

公式サイト:胃と腸のことなら金沢消化器内科・内視鏡クリニック

脂肪肝の状態を数値で確認してみませんか?

健診結果をお持ちいただくと、初診時の判断がスムーズです。土曜日も検査に対応しています。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や検査の要否については、医師にご相談ください。

当法人は金沢駅前に分院を開設いたしました。野々市院の予約が埋まっている場合は金沢院の予約もご確認してください。
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