隠れ肥満が気になったら──BMI正常でもCTで内臓脂肪を確認できます
健診でBMIは正常なのに、腹囲が基準値に近い。あるいは中性脂肪や血糖値だけが高い。こうした結果を受け取って「自分は痩せているのに、なぜ?」と感じたことはないでしょうか。見た目の体型と内臓脂肪の量は必ずしも一致しません。腹囲の測定だけでは把握しきれない内臓脂肪を、腹部CTなら画像で正確に測定できます。
この記事のポイント
- BMIが正常でも内臓脂肪面積が100cm²以上なら「内臓脂肪型肥満」と判定される
- 腹囲測定では見逃される隠れ肥満を、腹部CTで画像として確認できる
- 当院の内臓脂肪CT(メタボドック)は自費5,500円(税込)で受けられる
- 脂肪肝や血糖値異常など、内臓脂肪に関連するリスクも同時に相談できる
「隠れ肥満」とは何か──BMIだけでは分からない内臓脂肪のリスク
BMIと内臓脂肪は別の指標
BMI(Body Mass Index)は体重と身長から計算する肥満の指標で、25未満であれば「普通体重」に分類されます。ところが、BMIが正常範囲でも内臓脂肪が過剰にたまっている人がいます。これがいわゆる「隠れ肥満」です。日本肥満学会の肥満症診療ガイドライン2022では、BMI 25未満であっても腹部CT等で内臓脂肪面積が100cm²以上であれば内臓脂肪型肥満と判定する方針が示されています。
腹囲だけでは見落とすケース
特定健診では、ウエスト周囲長が男性85cm以上・女性90cm以上をメタボリックシンドロームの入り口としています。この数値は内臓脂肪面積100cm²に相当するとされていますが、あくまで統計的な相関に基づく目安です。体格や筋肉量、皮下脂肪の付き方によっては、腹囲が基準値以下でも内臓脂肪面積が100cm²を超えていることがあります。逆に、腹囲が大きくても皮下脂肪優位で内臓脂肪はそれほど多くないケースもあります。
隠れ肥満が怖い理由
内臓脂肪は皮下脂肪と異なり、インスリン抵抗性を高める物質や炎症性のサイトカインを活発に放出します。その結果、糖尿病・高血圧・脂質異常症のリスクが上がり、動脈硬化が進みやすくなります。さらに、内臓脂肪の蓄積は脂肪肝(MASLD)とも密接に関係しており、肝硬変や肝がんへの進展リスクも指摘されています。見た目が痩せていても、こうしたリスクは内臓脂肪の量に左右されます。
内臓脂肪を正確に測る方法──腹部CT検査のしくみ
CTで何が分かるのか
腹部CTでは、おへその位置で体の断面画像を撮影します。得られた画像を専用ソフトで解析すると、内臓脂肪面積と皮下脂肪面積が数値(cm²)として算出されます。画像上で内臓脂肪と皮下脂肪が色分けされるため、自分の脂肪の付き方を視覚的に確認できます。
体組成計やメジャーとの違い
家庭用の体組成計は体に微弱な電流を流して体脂肪率を推定する方法(生体インピーダンス法)を使います。体全体の脂肪割合は把握できますが、内臓脂肪と皮下脂肪を正確に分けることは困難です。BIAによる推定値とCTによる実測値には相関はあるものの、絶対値は互換ではないことが報告されています。腹囲測定も簡便ですが、先述のとおり目安にとどまります。日本肥満学会のガイドラインでは、内臓脂肪型肥満の確定診断にCT等を用いるとされており、日本の臨床ではCTが広く使われています。
検査にかかる時間と体への負担
内臓脂肪CTの撮影自体は数秒で終わります。おへそ周りの限られた範囲のみを撮影するため、撮影範囲が限られる分、通常の腹部CTより低線量で行えることが多い検査です。実際の被ばく量は装置や撮影条件で変わりますので、気になる方は予約時にお尋ねください。着替えや準備を含めても15分程度で検査は完了します。食事制限は腹部CTの場合に必要なことがありますので、予約時にご確認ください。
当院の内臓脂肪CT(メタボドック)──費用と受け方
自費5,500円(税込)で受けられます
野々市中央院では、内臓脂肪測定に特化したCT検査を「メタボドック」として提供しています。費用は5,500円(税込・自費診療)です。健診のオプションとして受けることも、メタボドック単独で受けることもできます。結果は後日、放射線科専門医の読影を経てお伝えします。
こんな方に向いています
BMIは正常だけれど中性脂肪や血糖値が高めの方、健診で腹囲が基準値ぎりぎりだった方、ご家族に糖尿病や心臓病の方がいる方は、一度内臓脂肪の状態を確認しておくと今後の健康管理の方針が立てやすくなります。また、脂肪肝を指摘されている方は、内臓脂肪の量を同時に把握することで食事・運動の目標設定に役立ちます。
メタボドックはお電話でもWEB予約でもお申し込みいただけます。健診結果をお持ちの方は、当日ご持参いただくとスムーズです。
検査後に異常が見つかった場合
内臓脂肪面積が100cm²以上だった場合は、血液検査や腹部エコーを組み合わせて、脂肪肝の有無・血糖値・脂質・肝機能などを総合的に評価します。当院は消化器内科・肝臓内科の専門クリニックですので、脂肪肝の精密検査(フィブロスキャンによる肝硬度測定)や生活習慣指導まで同じ院内で対応できます。
内臓脂肪が多かったときの対処法
食事と運動が基本
内臓脂肪は皮下脂肪より減りやすいという特徴があります。メタ解析では、有酸素運動が内臓脂肪の減少に有効であることが示されています。食事面では、糖質の過剰摂取を控え、食物繊維を増やすことが基本です。減量目標は体格や合併症によって異なりますが、日本肥満学会のガイドラインでは肥満症に対してまず3%以上の体重減少が推奨されています。無理のない範囲で血液検査や腹囲の変化を確認しながら、個別に目標を設定することが大切です。
数値で変化を追える安心感
内臓脂肪CTは経過観察にも使えます。半年〜1年後に再検査をすれば、生活改善の効果が画像と数値で確認できます。「がんばっているのに実感がない」というときに、脂肪面積の変化を客観的に見られることは、モチベーションの維持につながります。
脂肪肝との関係──消化器内科で一緒に確認するメリット
内臓脂肪と脂肪肝はセットで進む
内臓脂肪が増えると、肝臓にも中性脂肪がたまりやすくなります。この状態がMASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)です。NAFLDとして報告されたメタ解析では、脂肪肝があると糖尿病の発症リスクが約2倍に上昇するとされています。肝硬変や肝がんに進展する可能性も指摘されており、内臓脂肪の検査と合わせて腹部エコーや血液検査を受けることで、肝臓の状態も同時に把握できます。
当院だからできる一貫した対応
野々市中央院は消化器内科・肝臓内科を専門とするクリニックです。内臓脂肪CTで隠れ肥満が判明し、さらに脂肪肝や肝機能異常が見つかった場合も、同じ院内でフィブロスキャンによる肝線維化の評価、腹部エコー、血液検査まで対応できます。複数の医療機関を回る必要がないため、ご家族で通院している方や、初めて受診する方にも続けやすい環境です。
よくある質問
- Q. 内臓脂肪CTは保険適用ですか?
- A. 内臓脂肪の測定を目的としたCT検査は自費診療となります。当院のメタボドックは5,500円(税込)です。医師が疾患の診断のために腹部CTを指示した場合は保険適用になることがあります。
- Q. 予約なしで当日受けられますか?
- A. CT検査は技師がいる時間帯に実施します。事前にお電話またはWEB予約をお願いしています。腹部CTの場合は食事制限が必要なことがありますので、予約時にご案内します。
- Q. 体組成計で「内臓脂肪レベル」が高かったのですが、CTとは違いますか?
- A. 体組成計は電気抵抗から体脂肪率を推定する方法で、内臓脂肪と皮下脂肪を画像で分離することはできません。CTは断面画像から内臓脂肪面積を直接算出するため、より正確な評価が可能です。両者の推定値には相関はありますが、絶対値は互換ではないことが報告されています。
- Q. 被ばくが心配です。
- A. 内臓脂肪CTはおへそ周辺の限られた範囲のみを撮影するため、通常の腹部CTより低線量で行えることが多い検査です。実際の被ばく量は装置や条件で異なりますので、詳しくは予約時にお尋ねください。妊娠中または妊娠の可能性がある方は検査を受けられません。
- Q. 結果はいつ分かりますか?
- A. 当日に簡易的な結果をお伝えします。放射線科専門医による詳しい読影結果は後日お知らせします。
まとめ
BMIが正常でも内臓脂肪が多い「隠れ肥満」は、腹囲測定だけでは見つけにくい状態です。腹部CTなら内臓脂肪面積を画像と数値で正確に把握でき、メタボリックシンドロームや脂肪肝のリスクを早い段階で評価できます。当院では内臓脂肪CT(メタボドック)を5,500円で提供しており、結果に応じて脂肪肝の精密検査や生活習慣指導まで同じ院内で対応可能です。
健診で中性脂肪や血糖値を指摘されている方、体重は増えていないのにお腹まわりが気になる方は、一度内臓脂肪の状態を数値で確認してみてください。今の自分の体で何が起きているかが分かれば、対策も具体的になります。
参考文献
- 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」第2章 肥満の判定と肥満症の診断基準 https://www.jasso.or.jp/data/magazine/pdf/medicareguide2022_06.pdf
- 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」第1章 メタボリックシンドロームの概念と診断基準 https://www.jasso.or.jp/data/magazine/pdf/medicareguide2022_07.pdf
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「内臓脂肪型肥満」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-051.html
- Mantovani A et al. Non-alcoholic fatty liver disease and risk of incident diabetes mellitus: an updated meta-analysis. Gut. 2021;70(5):962-969. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32938692/
- Ogawa W et al. Definition, criteria, and core concepts of guidelines for the management of obesity disease in Japan. Endocr J. 2024;71(3):223-231. https://www.jstage.jst.go.jp/article/endocrj/71/3/71_EJ23-0593/_html/-char/en
- Ismail I et al. A systematic review and meta-analysis of the effect of aerobic vs. resistance exercise training on visceral fat. Obes Rev. 2012;13(1):68-91. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21951360/
- Gao B et al. Comparison of visceral fat area measured by CT and bioelectrical impedance analysis in Chinese patients with gastric cancer. BMJ Open. 2020;10(7):e036335. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7380841/
- 金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院「CT検査」 https://www.kanazawa-naisikyou.com/ct検査/
当院で相談する目安
健診でBMIは正常だが中性脂肪・血糖値・肝機能のいずれかに異常を指摘された方、腹囲が基準値に近く内臓脂肪が気になっている方、脂肪肝と言われたことがある方は、内臓脂肪CTで現状を把握することをおすすめします。野々市中央院は無料駐車場120台完備で、ご家族での来院やお子さま連れの方にも通いやすい環境です。
内臓脂肪が気になる方へ──まずはCTで現状を確認しませんか
健診結果をお持ちの方は、受診時にご持参ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や検査の要否については、医師にご相談ください。







