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腹部エコー検査で分かること|準備・費用・流れを専門医が解説

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腹部エコー検査で分かること|初めてでも安心の準備ガイド

健診の結果票に「腹部超音波検査:要経過観察」と書かれていて、何を調べた検査なのかよく分からない——。ご家族と一緒に結果票を見て、不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。この記事では、腹部エコー検査で観察できる臓器や見つかりやすい病気、検査前の準備、費用の目安まで、初めて検査を受ける方にも伝わるよう整理しました。

この記事で分かること

この記事のポイント

  • 腹部エコー検査の仕組みと、なぜ痛みや被ばくがないのか
  • 肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓——臓器ごとに分かる主な病気
  • 脂肪肝が見つかったときの「次の検査」フィブロスキャン
  • 検査前の食事制限と当日の持ち物
  • 保険適用時の費用目安(3割負担の場合)

腹部エコー検査とは——超音波で体の中を映し出す仕組み

検査の原理と特徴

腹部エコー検査(腹部超音波検査)は、お腹の表面にプローブと呼ばれる小さな機器を当て、超音波の反射をリアルタイムに画像化する検査です。レントゲンやCTのようにX線を使わないため、放射線による被ばくがありません。妊娠中の方でも受けられるほど体への負担が小さい点が特徴です。

検査時間はおおむね10〜15分程度で、お腹にゼリーを塗ってプローブを滑らせるだけで終わります。痛みもほとんどなく、検査後はすぐに日常生活に戻れます。

観察できる臓器

腹部エコーで主に観察する臓器は、肝臓、胆のう、胆管、膵臓、腎臓、脾臓、腹部大動脈です。これらの臓器について、腫瘍の有無、結石の有無、臓器の大きさや形の変化などを確認します。ただし、消化管のガスや体型の影響で膵臓の一部が見えにくい場合もあり、そうしたケースではCT検査が追加されることがあります。

臓器別に解説——腹部エコーで見つかりやすい病気

肝臓の所見

腹部エコーで最も多く見つかる所見のひとつが脂肪肝です。肝臓に脂肪がたまると、超音波画像上で「白っぽく光る」ように映ります。脂肪肝は生活習慣病との関連が深く、放置すると肝炎や肝硬変に進む場合もあるため、指摘されたら生活習慣の見直しを始めるきっかけにしてください。脂肪肝の詳しい解説や治療については当院の脂肪肝ページでまとめています。

肝嚢胞(肝臓の中に液体がたまった袋状の構造)や肝血管腫(血管の良性腫瘍)も、健診のエコーでよく指摘されます。いずれも良性の所見で、小さければ治療は不要です。ただし、初めて見つかった場合は念のため精密検査で性状を確認しておくと安心です。

脂肪肝の精密評価に役立つフィブロスキャン検査

腹部エコーで脂肪肝が見つかった場合、「肝臓がどの程度硬くなっているか(線維化の進行度)」と「脂肪がどれだけたまっているか」をさらに詳しく評価する検査がフィブロスキャン検査です。お腹の上からプローブを当て、振動と超音波の伝わり方を測定するだけの検査で、痛みはなく、検査時間も数分で済みます。

従来、肝臓の線維化を正確に評価するには肝生検(肝臓の組織を針で採取する検査)が必要でしたが、フィブロスキャンの普及により、外来で体に負担をかけずに評価できるようになりました。肝臓の硬さはF0〜F4の5段階、脂肪蓄積量はS0〜S3の4段階で数値化され、治療前後の変化も客観的に追跡できます。

当院(野々市中央院)は石川県内でもフィブロスキャン検査を導入している数少ない医療機関のひとつで、腹部エコー検査と同日に実施できます。健診で脂肪肝を指摘された方、肝機能の数値(AST・ALT・γ-GTPなど)が高めの方は、腹部エコーとフィブロスキャンを組み合わせて肝臓の状態を総合的に確認することをお勧めします。検査の詳細はフィブロスキャン検査のご案内をご覧ください。

胆のう・胆管の所見

胆のうでは、胆石と胆嚢ポリープがよく見つかります。胆石は胆汁の成分が固まったもので、痛みがなければ経過観察で済む場合がほとんどです。胆嚢ポリープは多くがコレステロールの沈着による良性のもので、5mm以下であれば定期チェックだけで対応できるケースが一般的です(サイズが10mm以上の場合は手術の検討が必要になることがあります)。

膵臓・腎臓・脾臓の所見

膵臓は体の奥深くにあるため、エコーでの観察がやや難しい臓器です。膵嚢胞や膵管拡張が見つかった場合は、膵臓がんとの鑑別のためにCTやMRIでの追加評価が検討されます。腎臓では腎嚢胞や腎結石が見つかることが多く、脾臓では脾腫(脾臓の腫れ)が指摘されることがあります。

検査前日・当日の準備——食事制限はなぜ必要か

前日の食事と当日の絶食

腹部エコーでは、胆のうを正確に観察するために空腹の状態が望ましいとされています。食事をとると胆のうが収縮して小さくなり、内部の結石やポリープが見えにくくなるためです。一般的には、検査前6時間程度の絶食が求められます。午前中の検査であれば前日の夕食を21時までに済ませ、当日の朝食を抜くのが標準的な流れです。

水やお茶は少量であれば問題ありません。常用薬の服用については、事前に主治医に確認してください。血糖値を下げる薬を服用中の方は、絶食とあわせて低血糖にならないよう注意が必要です。

当日の服装と持ち物

お腹にプローブを当てるため、上半身を出しやすい服装で来院してください。ワンピースよりもセパレートの服が便利です。持ち物は保険証(またはマイナンバーカード)と、健診で指摘を受けた方は結果票をお持ちいただくとスムーズに検査を進められます。

腹部エコー検査の費用——保険適用と自費の違い

保険適用で受ける場合

医師が診察のうえで検査が必要と判断した場合、健康保険が適用されます。3割負担の方で、腹部エコー検査の自己負担額はおおよそ1,500〜2,500円程度が目安です(初再診料や他の検査の有無によって前後します)。CT検査と比べると費用が抑えられる点も、腹部エコーの利点のひとつです。

健診・人間ドックで受ける場合

自治体の健診や人間ドックに腹部エコーが含まれている場合、自己負担は健診のコースによって異なります。人間ドックのオプションとして追加する場合は3,000〜5,000円程度が一般的です。費用の詳細は各健診機関にご確認ください。

検査結果を受け取ったら——次にどうすればよいか

「異常なし」の場合

異常なしの結果であれば、翌年の健診まで特別な対応は必要ありません。ただし、腹痛や背中の痛みなど気になる症状が新たに出た場合は、結果に関係なく医療機関を受診してください。

「要経過観察」「要精査」の場合

結果票に「要経過観察」と記載されている場合は、指定された期間(半年後や1年後など)に再度エコー検査を受けてください。「要精査」と記載されている場合は、消化器内科でより詳しい検査が必要です。当院では腹部エコーに加え、CT検査やフィブロスキャン検査にも対応しています。とくに脂肪肝を指摘された方は、腹部エコーとフィブロスキャンを同日に受けていただくことで、肝臓の「見た目(脂肪の蓄積)」と「硬さ(線維化の進行度)」の両面から状態を把握できます。健診結果票をお持ちいただければ、必要な精密検査を当日のうちに進められる場合もあります。

精密検査の流れについて詳しくは、健診の要精査でCT検査を受ける費用と準備もあわせてご覧ください。

参考文献

※本記事テーマに関連する主な参考資料

よくある質問

Q. 腹部エコー検査に痛みはありますか?
A. お腹にゼリーを塗り、プローブを軽く当てるだけの検査です。痛みはほとんどありません。お腹を押される感覚はありますが、強い圧迫はありませんのでご安心ください。
Q. 検査前に水やお茶は飲んでも大丈夫ですか?
A. 水やお茶は少量であれば問題ありません。ただし、ジュースや牛乳など糖分や脂肪分を含む飲み物は控えてください。
Q. 腹部エコーで胃がんや大腸がんは見つかりますか?
A. 腹部エコーは主に肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓を観察する検査で、胃や大腸の粘膜を詳しく調べるには胃カメラ・大腸カメラが適しています。腹部エコーで胃腸の異常が偶然見つかることはありますが、消化管のスクリーニングとしては内視鏡検査をお勧めします。
Q. 健診で「脂肪肝」を指摘されました。腹部エコーの再検査は必要ですか?
A. 脂肪肝の程度や肝機能の数値によっては、定期的な腹部エコー検査と血液検査で経過を見ていく場合があります。当院ではフィブロスキャン検査で肝臓の硬さと脂肪量を数値化して評価できますので、より正確な経過観察が可能です。肝機能の数値(AST・ALT・γ-GTPなど)が高い場合は、早めに消化器内科を受診してください。
Q. フィブロスキャン検査は腹部エコーと同じ日に受けられますか?
A. はい、当院では腹部エコーとフィブロスキャンを同日に実施できます。フィブロスキャン検査自体は数分で終わり、痛みもありません。医師が必要と判断した場合は腹部エコーとあわせてご案内します。
Q. 妊娠中でも腹部エコー検査は受けられますか?
A. 腹部エコーは超音波を使う検査で、放射線被ばくがないため、妊娠中でも受けられます。ただし、妊娠中であることを必ず医師にお伝えください。
Q. 腹部エコーの検査時間はどれくらいですか?
A. 一般的に10〜15分程度で終了します。検査内容によってはもう少しかかることもありますが、30分を超えることはほとんどありません。

まとめ

腹部エコー検査は、放射線被ばくがなく痛みもほとんどない検査で、肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓といったお腹の臓器を幅広く観察できます。脂肪肝や胆石、肝嚢胞など、健診で指摘されやすい所見の多くはこの検査で見つかるものです。脂肪肝が見つかった場合は、フィブロスキャン検査を組み合わせることで肝臓の線維化や脂肪蓄積の程度を数値で把握でき、治療方針をより具体的に立てられます。

健診結果に「要経過観察」や「要精査」と記載されていた場合は、放置せず、結果票を持って消化器内科を受診してください。多くの所見は良性ですが、「確認して安心する」ことが健診を受けた意味につながります。野々市市・白山市周辺で腹部エコーやフィブロスキャンの検査をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

当院で相談する目安

健診や人間ドックの腹部エコーで「要精査」「要経過観察」を指摘された方、お腹の張りや鈍い痛みが続いている方は、消化器内科への受診をご検討ください。当院では腹部エコー検査に加え、CT検査やフィブロスキャン検査も実施しています。とくにフィブロスキャンは石川県内でも導入している医療機関が限られており、大学病院レベルの検査をクリニックで受けられる環境です。健診結果票をお持ちいただければ当日中に精密検査を進められる場合もあります。女性の検査技師も在籍していますので、女性の方も安心して検査を受けていただけます。野々市市・白山市・能美市方面からのアクセスも良好です。

腹部エコーの結果が気になったら、まず専門医に相談を

まずはお気軽にご相談ください

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や検査の要否については、医師にご相談ください。

文責

中村 文保

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院/金沢駅前院(医療法人社団心匡会 理事長)

日本内科学会 総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本肝臓学会 肝臓専門医

公式サイト:胃と腸のことなら金沢消化器内科・内視鏡クリニック

当法人は金沢駅前に分院を開設いたしました。野々市院の予約が埋まっている場合は金沢院の予約もご確認してください。
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