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大腸ポリープ切除後の食事と再発予防|家族で取り組む腸活

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大腸ポリープ切除後の食事と再発予防|家族で実践できる腸の健康習慣

「ポリープを取ってもらったけど、今日の夕飯は何を食べればいいの?」——大腸カメラでポリープを切除したあと、ご家族からこうした問い合わせをいただくことが少なくありません。検査自体は無事に終わっても、帰宅してからの食事や生活に迷う方は多いものです。この記事では、切除後の回復を助ける具体的な食事メニューから、将来の再発を防ぐ食習慣まで、ご家族で取り組める内容を中心にまとめました。

動画で解説|胃腸の異変と内視鏡検査の実際

この記事のポイント

  • 切除後1週間の食事は「やわらかく・薄味・少量ずつ」が基本
  • 回復段階ごとに食べてよいもの・控えたいものを具体的に紹介
  • 再発リスクを下げるには、回復後の長期的な食習慣の見直しが大切
  • 定期的な大腸カメラ検査が再発の早期発見につながる
  • ご家族で食事内容を共有すると、無理なく続けやすい

大腸ポリープを取ったあと、食事で不安になる理由

切除後の腸は「小さな傷がある状態」

大腸ポリープの切除は、内視鏡の先端から専用の器具を出して電気的に組織を切り離す処置です。切除面は糸で縫い合わせないため、粘膜が自然にふさがるのを待ちます。この時期の腸は傷口がむき出しの状態なので、硬いものや刺激の強い食べ物が通過すると、出血や痛みにつながる場合があります。

食事の選び方で回復のスピードが変わる

切除直後に脂っこい食事やアルコールを摂ると、腸の血流が増えて出血リスクが高まります。逆に、消化にやさしい食事を選べば腸の負担が減り、傷の修復にエネルギーを集中させやすくなります。「何を食べるか」が回復の早さを左右すると考えてください。

ちなみに、当院では切除後にお渡しする説明書に食事の注意点を記載していますが、帰宅後に改めて迷うという声はよくあります。不安があれば遠慮なくお電話ください。

切除後の回復を支える食事メニューの具体例

当日〜翌日:水分と流動食から始める

切除当日は、白湯や常温の麦茶など刺激のない飲みものからスタートします。吐き気や腹痛がなければ、重湯や具のないコンソメスープなど液体に近いものを少量ずつ口にしてください。冷たい飲みものは腸を収縮させやすいので避けたほうが無難です。

2日目〜3日目:おかゆ・うどん中心の食事へ

五分粥やくたくたに煮込んだ素うどんが中心になります。おかずは絹ごし豆腐やはんぺん、卵豆腐など、噛まなくても崩れるくらいの柔らかさが目安です。味付けは薄めの出汁ベースにして、醤油や味噌は控えめに。一度にたくさん食べず、1日4〜5回に分けると腸への負担を減らせます。

4日目〜1週間:白身魚や鶏ささみを加える

お腹の調子が安定してきたら、たらやかれいの煮付け、蒸した鶏ささみなどタンパク質を加えていきます。野菜は大根やかぶなど繊維の少ないものを、皮をむいてやわらかく煮るのがポイントです。りんごのすりおろしやバナナも間食に適しています。

回復段階別おすすめ食品と控えたい食品

時期 おすすめの食品 控えたい食品
当日〜翌日 白湯、麦茶、重湯、コンソメスープ 固形物全般、冷たい飲料、アルコール
2〜3日目 五分粥、素うどん、絹ごし豆腐、卵豆腐 揚げ物、香辛料、炭酸飲料、乳製品
4日目〜1週間 白身魚の煮付け、鶏ささみ、煮込み野菜、バナナ ごぼう・きのこなど高繊維食品、ラーメン、カレー
1週間以降 通常食へ移行(油分・刺激物は少しずつ) 大量飲酒、激辛料理

回復期に控えたい食品と代わりに選べるもの

揚げ物の代わりに「蒸す・煮る」調理法を

天ぷらやフライは消化に時間がかかり、腸への刺激が強い食品です。同じ食材でも、蒸し鶏や煮魚にすれば脂質を大幅に抑えられます。フライパンを使う場合でも、油を引かずにテフロン加工のフライパンで焼くだけで十分です。

食物繊維の多い野菜は「加熱して細かく」

ごぼうやきのこ、海藻類は腸内で発酵しやすく、切除後すぐの時期はガスやお腹の張りの原因になります。ただし1週間ほど経って調子がよければ、みじん切りにして十分に加熱したうえで少量から試してみてください。繊維の少ない大根やかぶ、じゃがいもは回復期でも取り入れやすい野菜です。

コーヒーやアルコールの再開時期

コーヒーには胃腸を刺激するカフェインが含まれるため、切除後2〜3日は控えるのが無難です。アルコールは血管を広げて出血リスクを高めるため、当院では1週間程度の禁酒をお願いしています(施設や切除内容によって期間は異なるため、担当医の指示を優先してください)。「ノンアルコールビールなら大丈夫ですか」と聞かれることがありますが、炭酸の刺激があるため回復初期は避けたほうが安心です。

再発リスクを下げる長期的な食習慣

野菜・果物を毎食取り入れる

世界がん研究基金(WCRF/AICR)の報告では、食物繊維を含む食品の摂取が大腸がんリスクの低下と関連するとされています。回復後は、切除直後とは反対に、意識して野菜や果物を毎食の献立に加えてください。厚生労働省の「健康日本21」では、1日あたり350g以上の野菜摂取が目標として示されています。

赤身肉・加工肉を食べすぎない

WCRFは赤身肉の摂取について、調理後重量で週350〜500g程度までに抑えることを推奨しています。また、ハム・ソーセージなどの加工肉の常食は大腸がんリスクを高める要因として報告されています。魚や鶏肉、大豆製品を組み合わせて、赤身肉に偏らない食卓を意識してみてください。

定期的な大腸カメラで早めに発見する

食習慣の見直しだけで再発を完全に防ぐのは難しく、もっとも確実な方法は定期的な大腸カメラ検査です。Japan Polyp Study(Matsuda T. et al., Gut 2020)では、ベースライン検査でポリープをすべて切除したあとの経過観察について、条件を満たした方では3年後1回の検査でも1年+3年の計2回と同程度の精度で病変を発見できたと報告されています。

ただし、適切な検査間隔はポリープの大きさや個数、組織型(腺腫かどうかなど)によって異なります。高リスクの方は1年後の再検査が必要になることもあれば、低リスクの方はもう少し長い間隔になることもあります。担当医が判断した次回検査の時期を守り、予約を忘れずに入れておいてください。

家族と始める腸の健康づくり

食卓を共有するからこそできること

大腸ポリープは遺伝的な要因も関係するため、ご本人だけでなくご家族の腸の健康にも目を向けるきっかけになります。切除後の回復食は、実は家族全員にとっても体にやさしい献立です。「おかゆの日」をつくるなど、食卓を共有しながら無理なく取り組んでみてください。

40歳を過ぎたら家族そろって検診を

国立がん研究センターの統計によると、大腸がんの罹患率は40代から上昇し始めます。ご家族に大腸ポリープや大腸がんの経験がある場合は、まだ症状がなくても一度大腸カメラ検査を受けておくと安心です。当院では鎮静剤を使った苦痛に配慮した検査を行っており、女性医師による対応も可能です。野々市市・白山市・能美市など近隣にお住まいの方は、ご家族そろってお気軽にご相談ください。

なお、切除後の一般的な経過や運動・入浴の注意点については、大腸ポリープ切除後の生活上の注意点で詳しく解説しています。

参考文献

※本記事テーマに関連する主な参考資料

  • Tanaka S, Saitoh Y, Matsuda T, et al. Evidence-based clinical practice guidelines for management of colorectal polyps. J Gastroenterol. 2021;56(4):323-335. doi:10.1007/s00535-021-01776-1
  • Matsuda T, Fujii T, Sano Y, et al. Randomised comparison of postpolypectomy surveillance intervals following a two-round baseline colonoscopy: the Japan Polyp Study Workgroup. Gut. 2020;70(8):1469-1478. doi:10.1136/gutjnl-2020-321996
  • World Cancer Research Fund / American Institute for Cancer Research. Diet, Nutrition, Physical Activity and Colorectal Cancer. Continuous Update Project Expert Report (Revised 2018).
  • 厚生労働省「令和4年 全国がん登録 罹患数・率 報告」

よくある質問

Q. 切除後にヨーグルトや牛乳は飲んでもよいですか?
A. 乳製品は腸内でガスを発生させやすいため、切除後2〜3日は控えるのが無難です。お腹の張りや下痢がなければ、3日目以降に少量から試してみてください。
Q. 切除後に果物は食べてもよいですか?
A. バナナやりんご(すりおろし)は消化がよく、回復期の間食に適しています。ただし、みかんやキウイなど酸味が強いものや繊維の多いものは1週間ほど控えてください。
Q. お酒はいつ頃から再開できますか?
A. アルコールは血管を広げるため、切除部位からの出血リスクを高めます。当院では1週間程度の禁酒をお願いしていますが、期間は切除の内容や施設によって異なります。担当医の指示に従ってください。再開後もしばらくは量を控えめにしましょう。
Q. 家族にポリープ経験者がいると、自分もリスクが高いですか?
A. 血縁者に大腸ポリープや大腸がんの方がいる場合、リスクがやや高まるとされています。40歳を過ぎたら一度大腸カメラ検査を受けておくと安心です。
Q. 次の大腸カメラ検査はいつ受ければよいですか?
A. ポリープの大きさや個数、組織型によって適切な間隔は異なります。高リスクの方は1年以内、低リスクの方は3年程度の間隔になることもあります。担当医が判断した時期を守って、忘れずに予約を確保してください。
Q. 切除後にお腹が張って苦しいのですが大丈夫ですか?
A. 検査中に入れた空気が腸に残っていると、数時間はお腹の張りを感じることがあります。歩いたり体を軽く動かしたりするとガスが出やすくなります。翌日以降も張りが続く場合は当院にご連絡ください。
 

この記事の監修

中村文保

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院/金沢駅前院(医療法人社団心匡会理事長)

日本内科学会 総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本肝臓学会 肝臓専門医

胃と腸のことなら金沢消化器内科・内視鏡クリニック

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