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いびき・昼間の眠気が気になる方へ|SASセルフチェックの目安

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いびきは病気のサイン?家族と確認したいセルフチェックと受診の目安

「寝てるとき息止まってたよ」——ご家族からそう言われて、気になって検索している方もいるかもしれません。いびきは単なる騒音ではなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)という病気のサインである場合があります。

この記事では、いびきが体の不調につながる理由、ご家族と一緒に確認できるセルフチェックの項目、受診を考えるタイミングについてまとめました。

この記事のポイント

  • いびきの途中で呼吸が止まるのは、睡眠時無呼吸症候群の代表的なサインです
  • 本人は気づきにくく、ご家族の観察が発見のきっかけになります
  • 朝の頭痛や昼間の強い眠気は、夜間の酸素不足が原因かもしれません
  • まずは自宅でできる簡易検査から始められます
  • 早めに対処すれば、生活の質の改善が期待できます

いびきが「病気のサイン」になるのはどんなとき?

いびきをかく方すべてが病気というわけではありません。疲れている日やお酒を飲んだ夜だけいびきをかくなら、一時的な現象であることがほとんどです。

問題は、いびきに「パターン」があるときです。大きないびきが急に止まり、数秒から数十秒の沈黙のあと「ガッ」「プハッ」と息を吹き返す——このパターンが繰り返されている場合、気道が塞がって呼吸が止まっている可能性があります。これが睡眠時無呼吸症候群(SAS)の典型的なサインです。

SASは寝ている間に起こるため、本人はまず気づきません。隣で寝ているご家族が「いびきが止まっていた」「苦しそうだった」と感じて、初めて判明するケースがよくあります。

自分では気づきにくい「昼間のサイン」

夜の呼吸停止に気づけなくても、昼間の体調に手がかりが残っています。たとえば朝起きた瞬間の頭痛。寝ている間に低酸素や二酸化炭素の上昇などが重なると、脳の血管に影響して頭痛が起きると考えられています。活動しているうちに治まることが多いため、「寝起きの頭痛は体質」と思い込んでいる方も少なくありません。

もうひとつ見落とされがちなのが、夜間の頻尿です。「年齢のせいだろう」と片づけてしまいがちですが、無呼吸による胸腔内圧の変化がホルモン分泌に影響を与え、尿量が増える場合があります。頻尿だけでSASを疑う方は少ないものの、いびきや眠気と組み合わせると受診を検討する目安になります。

ご家族と一緒に確認したい5つのチェック項目

睡眠中のサインは自分では確認しにくいため、ご家族の協力が欠かせません。以下の項目について、最近1か月ほどの生活を振り返ってみてください。

チェック項目 確認のヒント
いびきの途中で呼吸が止まると指摘された ご家族に「10秒くらい音が止まることがあるか」を聞いてみてください
朝起きた瞬間に頭が重い・頭痛がある 日中に活動すると治まるパターンが典型的です
座って読書やテレビを見ているとき、気づくと眠っている 食後だけでなく、午前中でも眠くなる場合は注意してください
十分な睡眠時間をとっても、朝から体がだるい 週末に長く寝ても回復しない場合は、睡眠の「質」に問題がある可能性があります
夜中に2回以上トイレに起きる いびきや眠気とあわせて当てはまれば、一度検査を検討してよいタイミングです

複数当てはまる方は、SASの可能性を考えてよいかもしれません。医療の現場では「エプワース眠気尺度(ESS)」という問診票も使われますが、まずはこの5項目で「気づき」のきっかけをつかんでいただければ十分です。より詳しいチェックは当院のセルフチェックページでもご確認いただけます。

いびきを放置すると何が起こるのか

睡眠の「質」が下がり続ける

SASの方は、呼吸が止まるたびに脳が覚醒反応を起こしています。本人に自覚はなくても、深い眠り(N3・徐波睡眠)にたどり着けない状態が一晩中続きます。一晩中、誰かに肩を揺すられ続けているようなものです。

睡眠時間を増やしても回復しにくいのは、足りないのが「量」ではなく「質」だからです。

血圧や心臓への影響

夜間に酸素不足が繰り返されると、交感神経が過剰に刺激されて血圧が急上昇します。日本呼吸器学会の「SAS診療ガイドライン2020」では、SASと高血圧や心血管疾患との関連が指摘されています。降圧薬を飲んでも血圧が下がりにくい「治療抵抗性高血圧」の方に、SASが隠れているケースも報告されています。

ただし、適切な治療を行えばこうしたリスクは軽減できます。CPAP(シーパップ)療法を継続した方では、心血管イベントのリスクが低下したという研究データがあります。早めに気づいて対処すれば、過度に不安を感じる必要はありません。

「もしかして」と思ったら——検査と受診の流れ

SASの検査は、まず自宅で行う簡易検査から始まります。指と鼻に小さなセンサーをつけて、いつもどおり眠るだけです。痛みはなく、仕事や家事を休む必要もありません(機器は受け取りに来院いただき、翌日以降に返却します)。

簡易検査のデータをもとに、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI)を算出します。AHIが40以上であればCPAP療法が保険適用になります。40未満でも症状がある場合は、連携する医療機関での精密検査(PSG検査)をご案内します。

ちなみに、当院では検査後にそのまま結果をご説明しています。後日あらためて来院いただく必要はありません。

費用の目安(保険適用・3割負担の場合)

項目 自己負担額の目安
初診・問診 約2,000〜3,000円
簡易検査(自宅) 約2,700円〜
精密検査(PSG・入院) 約10,000〜15,000円
CPAP療法(月額) 約4,500〜5,000円

※金額は算定内容や検査項目により変動します。詳しくは費用一覧ページをご確認ください。

まとめ——いびきは「たかがいびき」で終わらせないでください

いびきの途中で呼吸が止まる、朝から頭が重い、昼間どうしても眠い——こうしたサインが重なっている場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。SASは自分では気づきにくい病気ですが、ご家族の「息が止まっていたよ」という一言が、発見のきっかけになります。

まずは今夜、ご家族にいびきの様子を聞いてみてください。気になることがあれば、自宅でできる簡易検査から始められます。

受診の目安

早めに医師へ相談してください

  • ご家族から「寝ている間に息が止まっている」と指摘された
  • 日中の眠気で仕事や運転に支障が出ている
  • 朝起きた瞬間の頭痛が週に何度もある

近いうちに検査を検討してください

  • 大きないびきを指摘されている
  • 十分に寝ても熟睡感がない
  • 降圧薬を飲んでも血圧が下がりにくい

まずはセルフケアで様子を見てよい場合

  • 疲れた日だけ一時的にいびきをかく
  • 睡眠時間の不足が明らかで、生活リズムの見直しで対応できそうなとき

参考文献

※本記事テーマに関連する主な参考資料

  • 日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」南江堂, 2020年(ISBN 978-4-524-24533-8)
  • Gottlieb DJ, Punjabi NM. Diagnosis and Management of Obstructive Sleep Apnea: A Review. JAMA. 2020;323(14):1389-1400. doi:10.1001/jama.2020.3514
  • Yeghiazarians Y, et al. Obstructive Sleep Apnea and Cardiovascular Disease: A Scientific Statement From the American Heart Association. Circulation. 2021;144(3):e56-e67. doi:10.1161/CIR.0000000000000988
  • 金沢消化器内科・内視鏡クリニック「睡眠時無呼吸症候群セルフチェック」https://naishikyo.or.jp/sas/self-check/

よくある質問

Q. いびきをかくだけで受診する必要がありますか?
A. いびきだけであれば、すぐに受診が必要とは限りません。ただし「いびきの途中で呼吸が止まる」「昼間の強い眠気がある」「朝の頭痛が続く」といったサインが加わる場合は、SASの可能性がありますので一度検査を受けることをお勧めします。
Q. 家族がいないのですが、自分でいびきを確認する方法はありますか?
A. スマートフォンのいびき録音アプリを使う方法があります。いびきの有無や中断のパターンをある程度把握できます。ただし正確な診断には簡易検査が必要ですので、気になる症状がある場合は直接ご相談ください。
Q. 太っていなくてもSASになりますか?
A. はい、日本人を含むアジア人は骨格的にあごが小さい傾向があり、体型に関わらず気道が狭くなりやすい方がいます。「痩せているから大丈夫」とは限りませんので、症状がある場合は体型に関係なくご相談ください。
Q. 簡易検査はどこで受けられますか?入院が必要ですか?
A. 簡易検査は当院で機器をお渡しし、ご自宅で寝る前にセンサーを装着するだけです。入院は不要で、痛みもありません。結果は機器返却後に解析し、診察時にご説明します。
Q. 子どもでもSASになることはありますか?
A. お子さんでも、扁桃腺やアデノイドの肥大が原因でSASを発症する場合があります。いびきが激しい、口呼吸が多い、夜中に何度も起きるなどの症状があれば、小児科や耳鼻咽喉科への相談をお勧めします。
Q. SASの治療をすると、いびきはなくなりますか?
A. CPAP療法を使用中は気道が確保されるため、いびきはほぼなくなります。体重減少や横向き寝の工夫でもいびきが軽くなることがあります。治療を続けることで、ご家族の睡眠環境も改善されたという声を多くいただいています。
 

この記事の監修

中村文保

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院/金沢駅前院(医療法人社団心匡会理事長)

日本内科学会 総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本肝臓学会 肝臓専門医

最終更新日:2026年2月17日(日本時間)

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