ブログ

日中の眠気が辛い方へ|野々市市で睡眠時無呼吸症候群の検査・治療

local_offerブログ
local_offer睡眠時無呼吸症候群

日中の眠気が続く方へ|睡眠時無呼吸症候群の検査・治療を専門医が解説

「健診で特に問題はなかったのに、昼間どうしても眠くて困っている」——当院にはこうしたご相談が増えています。ご家族から「いびきの途中で息が止まっている」と指摘されて来院される方も少なくありません。この記事では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因や症状、検査から治療までの流れを整理しました。野々市市・金沢市・白山市にお住まいの方はもちろん、能美市や小松市方面からもご相談いただけます。

この記事で分かること

  • 睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が繰り返し止まり、日中の強い眠気を引き起こす病気です
  • 放置すると高血圧・心筋梗塞・脳卒中のリスクが高まる可能性があります
  • 自宅でできる簡易検査で診断の第一歩を踏み出せます
  • CPAP療法を中心に、生活習慣の改善やマウスピースなど複数の治療手段があります
  • 検査・治療の多くは保険適用です

 

睡眠時無呼吸症候群とは——眠っている間に何が起きているのか

呼吸が止まるたびに脳が目覚める

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」や、呼吸が浅くなる「低呼吸」が繰り返し起こる病気です。1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI)が5回以上で日中に眠気などの症状がある場合に診断されます。なお、AHIが15回以上であれば、自覚症状がなくても診断基準を満たし得るとされています(ICSD-3)。

重症の方では、一晩に100回を超える無呼吸が観測されるケースもあります。呼吸が止まるたびに血中の酸素濃度が低下し、脳が「息ができていない」と感知して覚醒反応を起こします。本人は目覚めた自覚がなくても、睡眠は何度も中断されています。深い睡眠がとれないまま朝を迎えるため、日中の強い眠気や集中力の低下につながります。

閉塞性と中枢性の2つのタイプ

SASは大きく2つに分かれます。全体の約9割を占めるのが「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」で、睡眠中にのどの筋肉がゆるみ、舌の付け根が沈み込んで気道をふさぐことで起こります。肥満の方に多い傾向はあるものの、日本人はあごが小さい骨格の方が多いため、やせ型でも発症します。

もう一つが「中枢性睡眠時無呼吸(CSA)」です。気道は開いたままですが、脳から呼吸筋への指令が一時的に途絶えるタイプで、心不全などに伴って生じるケースがみられます。

自分では気づきにくい——SASの代表的な症状

夜間に現れるサイン

最もわかりやすい兆候は、大きないびきです。ただし、いびきをかく方がすべてSASというわけではありません。いびきが急に止まり、しばらくしてから「ガッ」と苦しそうに呼吸を再開する——このパターンが特徴的です。

ご家族から「寝ている間に息が止まっていた」と指摘されるケースがきっかけで受診される方は多くいらっしゃいます。ほかにも、夜中に何度もトイレに起きる、寝汗がひどい、息苦しさで目が覚めるといった症状がみられます。

日中に現れるサイン

日中の強い眠気はSASの代表的な症状です。十分な睡眠時間を確保しているはずなのに、会議中や運転中にうとうとしてしまう。テレビを見ていると気がつけば寝落ちしている。こうした状態が続く場合は注意してください。

朝起きたときの頭痛や口の渇き、だるさ、集中力・記憶力の低下もよく報告される症状です。「年齢のせい」「疲れがたまっているだけ」と思い込んで見過ごしている方が少なくありません。

放置した場合に高まるリスク

高血圧・心血管疾患との関連

SASを治療せずに放置すると、睡眠中の低酸素状態が毎晩繰り返されるため、心臓や血管に負担が蓄積します。SAS患者さんの約半数が高血圧を合併しているとされ、降圧薬を飲んでも血圧が下がりにくい「治療抵抗性高血圧」の背景にSASが潜んでいるケースも珍しくありません。高血圧とSASの関係について詳しくは、いびきと高血圧は関係あり?|野々市市・金沢市の専門医が解説をご覧ください。

脳卒中との関連については、代表的な前向き研究で未治療SAS患者の脳卒中・死亡リスクがハザード比約2.2倍と報告されています(Yaggi HK, et al. N Engl J Med. 2005)。メタ解析でもオッズ比2.24(95%CI: 1.57–3.19)と示されており、重症例ではリスクがさらに高まる可能性があります(Dong JY, et al. Circ Cardiovasc Qual Outcomes. 2012)。また、未治療の重症OSA患者における長期的な心血管イベントの増加を示す観察研究も報告されています(Marin JM, et al. The Lancet. 2005)。

数字だけを見ると不安になるかもしれません。ただ、裏を返せば「早い段階で治療を始めれば、これらのリスクを下げられる可能性がある」ということです。

居眠り運転のリスク

SASによる日中の眠気は、居眠り運転の原因にもなります。メタ解析では、SAS患者さんの交通事故リスクは一般ドライバーの約1.2〜4.9倍の範囲と報告されています(Tregear S, et al. J Clin Sleep Med. 2009)。ご自身の安全だけでなく、周囲の方を守るためにも、早めの対応が大切です。

 

検査の流れ——まず自宅でできる簡易検査から

簡易検査(スクリーニング)

SASの診断は、ご自宅で行える簡易検査(HSAT)からスタートします。当院で小型の検査機器をお渡しし、就寝前に指と鼻にセンサーを装着して、いつもどおり眠っていただくだけです。血中酸素飽和度(SpO2)や呼吸の状態、いびきの有無などを一晩かけて記録します。痛みは一切なく、入院の必要もありません。検査機器の装着手順について詳しくは、SAS簡易検査の自宅でのやり方|機器の装着手順と結果の読み方をご確認ください。

データ解析にはおおむね1〜2週間ほどかかります。結果をもとに、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI)を算出し、重症度を判定します。簡易検査でAHIが40以上の場合は、そのままCPAP療法を保険適用で開始できます。

精密検査(PSG検査)

簡易検査でSASの疑いが強いもののAHIが40未満の場合や、より詳しい評価が必要な場合は、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)をご案内します。PSGでは脳波や心電図、筋電図なども同時に記録し、睡眠の深さや質まで正確に評価します。1泊の入院が必要となるため、当院から連携医療機関をご紹介します。

当院での診療の流れ

当院ではまず問診と診察を行い、SASが疑われる場合に簡易検査をお渡しします。検査結果に基づいて、CPAP療法・マウスピース・生活習慣の改善のなかから最適な治療方針をご提案します。野々市市、金沢市、白山市をはじめ、能美市や小松市からもアクセスしやすい立地ですので、継続的な通院にも便利です。

治療の選択肢——CPAP・マウスピース・生活習慣の改善

CPAP(シーパップ)療法

中等症から重症のSASに対する標準的な治療法です。就寝時に鼻にマスクを装着し、機械から空気を送り込んで気道を開いた状態に保ちます。

装着感に慣れるまでの期間には個人差がありますが、数日〜数週間で違和感なく使えるようになる方が多いです。「朝の目覚めがまるで違う」「午後の会議で眠くならなくなった」という声は珍しくありません。CPAP療法を適切に続けることで、日中の眠気が改善するだけでなく、心血管系への負担を軽減できる可能性も報告されています。原則として月1回の通院で機器の調整や効果の確認を行い、状態が安定すればオンライン診療への切り替えも検討できます。

マウスピース(口腔内装置)

軽症の方やCPAPの装着が難しい方には、マウスピースによる治療もあります。下あごを少し前に出した状態で固定し、気道を広げる仕組みです。専門の歯科医と連携して作製します。

生活習慣の改善

肥満がある方は、体重を5〜10%減らすだけでも無呼吸の回数が減る可能性があるとされています(Tuomilehto HPI, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2009)。ただし、効果には個人差があり、骨格的な要因が大きい場合は減量だけでは改善しきれないこともあります。寝る前のアルコールはのどの筋肉をゆるめて無呼吸を悪化させるため、控えめにしてください。仰向けで寝ると気道がふさがりやすいので、横向きで眠る工夫も有効です。

扁桃腺の肥大など構造的な問題が原因となっている場合は、手術が検討されるケースもあります。

検査・治療にかかる費用の目安

SASの検査・治療は、医師が必要と判断した範囲で健康保険が適用されます。3割負担の場合のおおよその目安は以下のとおりです。診療内容や加算項目により変動しますので、正確な金額は受診時にご確認ください。

項目 自己負担額の目安(3割負担)
初診・問診 約1,000〜2,000円
簡易検査(自宅検査) 約3,000円
精密検査(PSG検査) 約10,000〜15,000円(在宅の場合)
CPAP療法(月額レンタル+診察) 約5,000円

CPAP療法を保険で継続するには原則として月1回の通院が必要です。入院でPSG検査を行う場合は、入院基本料や食事代が別途加わり3万〜4.5万円前後になることがあります。費用面で気になる点がありましたら、診察時にお尋ねください。

 

睡眠時無呼吸症候群をもっと知りたい方へ

SASの全体像を押さえたい方に

睡眠時無呼吸症候群の症状・検査・治療の全体像を1ページでまとめた記事です。閉塞性と中枢性の違い、AHIの評価基準、CPAP療法の仕組みまで、基礎知識を網羅的に解説しています。

▶ 睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?症状・検査・治療を専門医が解説

検査の流れと費用を確認したい方に

問診・簡易検査・精密検査(PSG)からCPAP導入までの手順と、保険適用時の費用目安をステップごとに整理した記事です。「最初の受診で何をするのか」がイメージしやすい内容になっています。

▶ 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査の流れ・費用・受診方法

合併症のリスクを詳しく知りたい方に

SASを放置した場合に高まる高血圧・心不全・脳卒中・糖尿病などのリスクを、循環器・代謝の観点から包括的にまとめた記事です。治療を続ける意義を理解するのに役立ちます。

▶ 睡眠時無呼吸症候群の合併症|高血圧・脳卒中リスク

よくある質問

Q. いびきをかいていれば必ずSASですか?
A. いびきだけではSASとは限りません。単純ないびきの方もいます。ただし、いびきが急に途切れてから「ガッ」と大きな呼吸を再開するパターンがある場合や、日中に強い眠気がある場合は、SASの可能性があります。気になる方は簡易検査をお勧めします。
Q. CPAPはどのくらいの期間続ける必要がありますか?
A. CPAPは「使っている間だけ気道を開く」治療です。眼鏡のように、使い続けることで効果を維持します。肥満が原因の方は減量によってCPAPが不要になるケースもありますが、骨格的な要因が大きい場合は長期的な使用が必要となることがあります。定期的に医師と相談しながら、治療の継続や見直しを判断します。
Q. 簡易検査は痛みがありますか?入院は必要ですか?
A. 痛みはありません。指と鼻にセンサーを付けて、ご自宅でいつもどおり眠るだけです。入院の必要はなく、翌日以降に機器を返却していただきます。
Q. 女性や痩せている人でもSASになりますか?
A. はい。閉経後の女性はホルモンバランスの変化によって発症リスクが高まります。また、日本人はあごが小さい骨格の方が多く、痩せ型でも気道が狭くなりやすいケースがあります。いびきや日中の眠気がある方は体型にかかわらず受診をご検討ください。
Q. 検査や治療に健康保険は使えますか?
A. はい。簡易検査、精密検査(PSG)、CPAP療法のいずれも健康保険が適用されます。3割負担の場合、簡易検査は約3,000円、CPAP療法は月額約5,000円が目安です。CPAP療法を保険で継続するには原則として月1回の通院が必要です。
Q. 子どもでもSASになることはありますか?
A. お子さんでも扁桃腺やアデノイドの肥大などが原因でSASを発症する場合があります。いびき・口呼吸・寝相が極端に悪い・日中のぼんやりした様子が目立つなどの症状がある場合は、小児科や耳鼻咽喉科へのご相談をお勧めします。
Q. 受診時に持っていくものはありますか?
A. 高血圧や糖尿病など他の病気で通院中の方は、現在服用しているお薬がわかるもの(お薬手帳など)をお持ちください。ご家族がいびきや無呼吸を動画に撮っていただいていると、診察の参考になります。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群は、ご本人が気づかないまま睡眠の質を大きく下げ、日中の生活にも影響を及ぼす病気です。放置すると高血圧や心血管疾患のリスクが高まりますが、適切な検査と治療を受ければ症状の改善が期待できます。自宅でできる簡易検査から始められるため、身構える必要はありません。

「いびきがうるさいと言われた」「日中の眠気がつらい」「寝ても疲れがとれない」——こうした症状に心当たりがある方は、一度検査を受けてみてください。当院では問診からCPAP治療まで一貫してサポートしています。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

 

次に読むおすすめ記事

参考文献

  • 日本呼吸器学会/厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究」班 監修.睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン作成委員会 編.睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020.南江堂;2020.
  • Kapur VK, Auckley DH, Chowdhuri S, et al. Clinical Practice Guideline for Diagnostic Testing for Adult Obstructive Sleep Apnea. J Clin Sleep Med. 2017;13(3):479-504. doi:10.5664/jcsm.6506
  • Patil SP, Ayappa IA, Caples SM, et al. Treatment of Adult Obstructive Sleep Apnea with Positive Airway Pressure: An AASM Clinical Practice Guideline. J Clin Sleep Med. 2019;15(2):335-343. doi:10.5664/jcsm.7640
  • Yaggi HK, Concato J, Kernan WN, et al. Obstructive Sleep Apnea as a Risk Factor for Stroke and Death. N Engl J Med. 2005;353(19):2034-2041. doi:10.1056/NEJMoa043104
  • Marin JM, Carrizo SJ, Vicente E, Agusti AGN. Long-term cardiovascular outcomes in men with obstructive sleep apnoea-hypopnoea with or without treatment with continuous positive airway pressure: an observational study. The Lancet. 2005;365:1046-1053. doi:10.1016/S0140-6736(05)71141-7
  • Tregear S, Reston J, Schoelles K, Phillips B. Obstructive sleep apnea and risk of motor vehicle crash: systematic review and meta-analysis. J Clin Sleep Med. 2009;5(6):573-581. doi:10.5664/jcsm.27662
  • Tuomilehto HPI, Seppä JM, Partinen MM, et al. Lifestyle intervention with weight reduction: first-line treatment in mild obstructive sleep apnea. Am J Respir Crit Care Med. 2009;179(4):320-327. doi:10.1164/rccm.200805-669OC

当院で相談する目安

ご家族からいびきや無呼吸を指摘されている方、十分に眠っているのに日中の眠気がひどい方、朝起きたときの頭痛や口の渇きが続く方は、一度検査を受けてみてください。当院(金沢消化器内科・内視鏡クリニック野々市中央院)では、自宅での簡易検査からCPAP療法の導入・継続管理まで一貫して対応しています。女性医師も在籍しており、土曜日も診療を行っていますので、ご家族そろってのご相談も可能です。野々市市・金沢市・白山市はもちろん、能美市、小松市、加賀市からも多くの方にお越しいただいています。

いびきや日中の眠気が気になる方——まずは自宅でできる簡易検査から始めてみませんか

まずはお気軽にご相談ください


本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や検査の要否については、医師にご相談ください。

文責

中村 文保

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院/金沢駅前院(医療法人社団心匡会 理事長)

日本内科学会 総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本肝臓学会 肝臓専門医

公式サイト:胃と腸のことなら金沢消化器内科・内視鏡クリニック

当法人は金沢駅前に分院を開設いたしました。野々市院の予約が埋まっている場合は金沢院の予約もご確認してください。
TOPへ