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いびきと高血圧は関係あり?|野々市市・金沢市の専門医が解説

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「血圧の薬を何種類も飲んでいるのに、なかなか下がらない…」「朝起きたとき、いつも頭が重い…」そんなお悩みはありませんか?
ご家族から「いびきがうるさい」「寝ている間に息が止まっている」と言われたことがある方は、もしかすると睡眠時無呼吸症候群が高血圧の原因かもしれません。

実は、薬が効きにくい高血圧(治療抵抗性高血圧)の患者さんの60〜80%に、睡眠時無呼吸症候群が隠れているというデータがあります。「たかがいびき」と思って放置していると、知らないうちに心臓や血管に大きな負担をかけ続けてしまうのです。

当院(金沢消化器内科・内視鏡クリニック野々市中央院)は野々市市にあり、お隣の金沢市や白山市をはじめ、能美市、小松市、加賀市など広い地域から多くの方がご相談に来られています。この記事では、いびきと高血圧の意外な関係について、専門医がわかりやすく解説します。

この記事のポイント

  • 薬が効かない高血圧の原因が、睡眠時無呼吸症候群であることは珍しくありません
  • 睡眠中の無呼吸が交感神経を刺激し、血圧を上昇させるメカニズムがあります
  • CPAP治療で血圧が改善する可能性があります
  • 当院では自宅でできる簡易検査から、CPAP治療まで対応しています
  • 石川県のクリニックで唯一「フィブロスキャン」を導入し、脂肪肝の精密検査も可能です

いびきや高血圧でお悩みの方、まずはお気軽にご相談ください。

WEB予約はこちら 電話予約:076-259-0378

目次

睡眠時無呼吸症候群と高血圧の関係とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)と高血圧には、医学的に明らかな関連があります。日本高血圧学会のガイドラインでも、睡眠時無呼吸症候群は「二次性高血圧」の重要な原因として位置づけられています。

統計データによると、睡眠時無呼吸症候群の患者さんの約50%が高血圧を合併しています。逆に、高血圧の患者さんの約30%に睡眠時無呼吸症候群が見つかるという報告もあります。つまり、この2つの病気は非常に密接な関係にあるのです。

さらに注目すべきは、降圧薬を3種類以上飲んでも血圧が目標値まで下がらない「治療抵抗性高血圧」の患者さんです。この場合、なんと60〜80%の方に睡眠時無呼吸症候群が合併しているというデータがあります。

高血圧を放置するとどうなる?

高血圧は「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ばれるように、自覚症状がほとんどありません。しかし、放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気のリスクが高まります。

睡眠時無呼吸症候群が原因の高血圧は、通常の降圧薬だけでは十分にコントロールできないことが多いです。そのため、原因である睡眠時無呼吸症候群を治療することが、血圧改善の近道となります。

なぜ眠っている間に血圧が上がるのか?そのメカニズム

「寝ている間はリラックスしているはずなのに、なぜ血圧が上がるの?」と不思議に思われる方も多いでしょう。実は、睡眠時無呼吸症候群の方の体内では、眠っている間に「緊急事態」が起きているのです。

無呼吸が引き起こす「窒息のサイクル」

睡眠中に気道が塞がり呼吸が止まると、体内の酸素濃度が低下します。すると脳は「酸素が足りない!危険だ!」と感知し、体を無理やり覚醒させようとします。この時、交感神経が急激に興奮し、血圧が急上昇するのです。

この「呼吸が止まる→酸素低下→覚醒→血圧上昇」というサイクルが、一晩に何十回、重症の方では何百回も繰り返されます。毎晩このような状態が続くと、血管は常にダメージを受け、動脈硬化が進行してしまいます。

「早朝高血圧」との関係

睡眠時無呼吸症候群の患者さんに多く見られるのが「早朝高血圧」です。通常、血圧は睡眠中に下がり、朝にかけて徐々に上昇するのが正常なパターンです。しかし、睡眠時無呼吸症候群があると、夜通し交感神経が刺激され続けるため、朝目覚めた直後の血圧が最も高くなることがあります。

「朝起きた時に頭が重い」「頭痛がする」という症状がある方は、早朝高血圧の可能性があります。ぜひ、起床直後の血圧を測定して記録してみてください。診察時に医師に見せることで、睡眠時無呼吸症候群発見の手がかりになります。

「薬が効かない高血圧」と睡眠時無呼吸症候群

「血圧の薬をきちんと飲んでいるのに、なかなか下がらない」という方は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性を疑う必要があります。厚生労働省の調査でも、生活習慣病と睡眠の関連が指摘されています。

なぜ薬が効かないのか?

降圧薬は、血管を広げたり、心臓の働きを抑えたりすることで血圧を下げます。しかし、睡眠時無呼吸症候群による血圧上昇は、毎晩繰り返される「交感神経の過剰な興奮」が原因です。

薬で日中の血圧を下げても、睡眠中に何度も血圧が急上昇すれば、薬の効果は打ち消されてしまいます。つまり、「薬が効かない」のではなく、「薬の効果を打ち消すほど、睡眠中の無呼吸が血圧を上げている」と考えるべきなのです。

睡眠時無呼吸症候群を治療すると血圧は下がる?

答えは「はい」です。睡眠時無呼吸症候群の標準的な治療であるCPAP(シーパップ)療法を行うと、多くの患者さんで血圧の改善が認められます。研究によると、CPAPを毎晩4時間以上使用することで、収縮期血圧(上の血圧)が平均2〜10mmHg低下するというデータがあります。

「たった数mmHg?」と思われるかもしれませんが、平均血圧がわずかに下がるだけでも、将来的な脳卒中・冠動脈疾患(特に死亡)のリスク低下と関連することが示されています。長期的に見れば、大きな違いになるのです。

こんな症状があれば要注意|セルフチェック

以下の項目に当てはまる方は、睡眠時無呼吸症候群と高血圧の関連を疑って、検査を受けることをお勧めします。

チェック項目 詳細
□ いびきがうるさいと言われる 特に、いびきが途中で止まり「ガガッ」と再開する場合は要注意
□ 寝ている間に息が止まっていると指摘された ご家族やパートナーの証言は重要な診断の手がかりです
□ 日中に強い眠気がある 会議中や運転中に居眠りしそうになることはありませんか?
□ 朝起きた時に頭痛や頭重感がある 早朝高血圧のサインの可能性があります
□ 夜中に何度もトイレに起きる 無呼吸による覚醒が原因かもしれません
□ 降圧薬を3種類以上飲んでも血圧が下がらない 治療抵抗性高血圧の可能性があります
□ 肥満傾向がある(BMI 25以上) 首周りの脂肪が気道を狭くすることがあります

3つ以上当てはまる方は、一度睡眠時無呼吸症候群の検査を受けることをお勧めします。当院では、ご自宅で簡単に行える検査からスタートできますので、お気軽にご相談ください。

当院での検査・治療の流れ

「検査って大変そう…」「入院が必要なの?」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。当院では、まずご自宅で簡単にできる検査から始めますので、ご安心ください。

Step1:問診・診察

まずは、いびきや眠気、血圧の状態などについて詳しくお話を伺います。「いびき・無呼吸の相談」とお伝えいただくとスムーズです。高血圧で通院中の方は、現在服用中のお薬をお持ちください。

Step2:簡易検査(ご自宅で実施)

専用の小さな検査機器をお貸し出しします。寝る時に指と鼻にセンサーを付けるだけで、睡眠中の呼吸状態や酸素濃度を測定できます。痛みは全くありませんし、普段通りご自宅で眠っていただくだけです。

Step3:診断・治療方針の決定

検査データを解析し、無呼吸の重症度(AHI:1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数)を判定します。中等症〜重症の場合はCPAP療法、軽症の場合はマウスピース療法や生活習慣の改善をご提案します。

Step4:CPAP療法の開始

CPAP療法は、就寝時にマスクを装着し、機械から空気を送り込むことで気道を開いた状態に保つ治療です。最初は違和感があるかもしれませんが、多くの方が数日で慣れていきます。

当院では、月に1回の定期診察で機器の調整や効果の確認を行います。状態が安定してきたらオンライン診療への切り替えも可能ですので、お忙しい方もご安心ください。

高血圧といびきでお悩みの方、まずは検査を受けてみませんか?

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検査・治療にかかる費用について

睡眠時無呼吸症候群の検査や治療は、健康保険が適用されます。以下は、3割負担の方の一般的な自己負担額の目安です。

項目 保険適用時の自己負担額(3割負担)
初診・問診 約1,000〜2,000円
簡易検査(自宅検査) 約3,000円
精密検査(PSG検査・入院) 約10,000〜15,000円
CPAP療法(月額) 約5,000円

CPAP療法を継続する場合、月に1回の通院が必要となります。1割負担の方は、上記金額の約3分の1とお考えください。費用についてご不安な点があれば、診察時に遠慮なくお尋ねください。

よくあるご質問

Q1. いびきをかく人は全員、高血圧になるのですか?

いいえ、そうではありません。いびきをかく方全員が高血圧になるわけではありません。ただし、いびきが大きい、途中で止まる、日中の眠気があるなどの症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があり、高血圧のリスクが高まります。気になる症状がある方は、一度検査を受けることをお勧めします。

Q2. CPAPを使えば、血圧の薬をやめられますか?

CPAPで血圧が改善する方は多いですが、すぐに降圧薬をやめられるわけではありません。CPAP治療を続けながら、定期的に血圧を測定し、主治医と相談しながら徐々に薬を減らしていくことが大切です。自己判断で薬をやめるのは危険ですので、必ず医師にご相談ください。

Q3. 痩せれば睡眠時無呼吸症候群は治りますか?

肥満が原因の睡眠時無呼吸症候群の場合、体重を減らすことで症状が改善することがあります。体重を5〜10%減らすだけでも、無呼吸の回数が減少するというデータがあります。ただし、日本人は骨格的な要因(あごが小さいなど)で発症することも多いため、痩せても完全には治らないケースもあります。当院の健康診断で生活習慣病の状態を確認しながら、適切な治療法を選択していきましょう。

Q4. 睡眠時無呼吸症候群があると、他の病気にもなりやすいですか?

はい、睡眠時無呼吸症候群は高血圧だけでなく、様々な病気のリスクを高めます。心筋梗塞、脳卒中、不整脈、糖尿病、脂肪肝などが代表的です。当院では、フィブロスキャン検査で肝臓の状態も確認できますので、総合的な健康管理が可能です。

Q5. 女性でも睡眠時無呼吸症候群になりますか?

はい、女性も睡眠時無呼吸症候群になります。特に閉経後は、ホルモンバランスの変化により発症リスクが高まります。女性の場合、典型的ないびきよりも、疲労感や不眠として症状が現れることもあります。金沢市や白山市から当院に来られる女性の患者さんも増えています。

野々市市・金沢市・白山市で高血圧といびきにお悩みの方へ

薬を飲んでも血圧が下がらない…その原因は、もしかすると睡眠時無呼吸症候群かもしれません。いびきや日中の眠気、朝の頭痛など、思い当たる症状がある方は、ぜひ一度検査を受けてみてください。

睡眠時無呼吸症候群は、適切に治療すれば血圧の改善が期待でき、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気の予防に有用な可能性があります。「たかがいびき」と放置せず、早めの対応が大切です。

当院(金沢消化器内科・内視鏡クリニック野々市中央院)では、自宅でできる簡易検査からCPAP治療まで、睡眠時無呼吸症候群の診療に力を入れています。さらに、石川県の医療機関でも数少ないフィブロスキャンで肝臓の状態も確認でき、CT検査も院内で実施可能です。高血圧だけでなく、糖尿病や脂肪肝など生活習慣病全体を見据えた総合的なケアをご提供いたします。

野々市市・金沢市・白山市の方はもちろん、能美市、小松市、加賀市など南加賀全域からも多くの方にお越しいただいています。お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

ご予約を希望される方は、こちらからお進みください。

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参考文献

  1. 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」
  2. Pedrosa RP, et al. Obstructive sleep apnea: the most common secondary cause of hypertension associated with resistant hypertension. Hypertension. 2011
  3. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020

著者・監修者情報

中村 文保|医療法人社団心匡会 理事長
総合内科専門医/消化器内視鏡専門医/消化器病専門医/肝臓専門医。内視鏡を核に苦痛の少ない検査と分かりやすい診療を実践、野々市市・金沢市・白山市をはじめ、南加賀全域の地域医療に注力。

公開日:2025-12-12 / 最終更新日:2025-12-12

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